学校の文化 担任の先生より

595)特別支援学校 修学旅行で着物?フザけるな

コロナで中止になってしまった校外学習の資料を整理しながら、そういえばと思いだしたことがあります。

何年も前、修学旅行の引率について、学年内で話をしていたとき、ある担任の先生が、「途中で、〇〇さんが着物を着て、写真をとったりするのは大丈夫でしょうか?」といい始めました。

「え?着物?」
「それって、ちょっとの時間で済む?」
「〇〇さんだけ?」
「他の子はどうするの?」

「…」

「なんで、そんな話になった?」

「お母さんが希望したから」

【保護者の希望】
「保護者の期待に応える」

これが、今の学校を更に過剰サービスに駆り立てているもので、個に応じた対応が、個別対応と同じ意味になってきているようです。

安全や指導上の適切な配慮や、学級経営の安定性を放棄するような案件も増えてきています。現に、この先生は学級にいる他の児童生徒の指導を他の先生に引き受けてもらうよう交渉するつもりだったのでしょう。

なんとか工夫して、できるようにならないか?」とよく言われますが、どこまでは許すか、どんなリスクが想定されるか、他の児童生徒への指導にどれくらい影響があるか、何かあったら誰が責任をとるのか、このあたりを考えたら、担任としてどうすべきか、答えがでるはずです。

【てんびんにかける】
何か、日常の営みに変化が生じる案件がでてきたとき、どうするか。

これについて、これまで私も妥協したこと、させられたこと、突っぱねたこと、いろいろありました。
結果的にうまく流れたとしても、自分の教育観を傷つけたときの不快感はなかなか消えません。

できると思われたい
期待に応えたい
できないと残念がられたくない
人間関係に傷をつけたくない
協力的でないと後ろ指をさされたくない

こんな気持ちが、無理を飲むことや、苦しい状況に陥ることを止めにくくしているのかなと思います。

そんなとき、案件を受け入れたら日常がどうなるか安全はどうか指導の質はどうか自分だけで完結できる問題か責任の所在は明らかか授業などの教育課程上の問題はでないか、などを考えます。

できれば即答を避け、「検討します」とその場はおさめて、相談できる人と冷静になって論陣をはりましょう。

できるなら、必要な条件はきちんと出しましょう
できないなら理由を述べて、「すみません」と言って話を終わらせましょう。

あなたと、あなたの学級を守れるのは「あなた」です。