3Kって、医療福祉や機械工業などの分野でよく聞かれます。
バブル期にも、「高収入、高学歴、高身長」の3Kがありました。
職場で言われる3Kは、「きつい、きたない、きけん」です。
特別支援学校でも、それぞれKに該当するものがありますが、単にそこだけで論じていいものかと思っています。
食わず嫌いや風評だけでなく、それらがどこからきて、どんな意味をもっているか落ち着いて考えてみます。なぜ、3Kについて考えてみようと思ったのかというと、動画で「介護業界の3K」についてとりあげたものがあり、それを見て似ているところがあると感じたからです。また介護業界も公立学校と同様に人材不足に悩まされています。
何がきついと言われ、何がきたなくて、何が危険と思われているのでしょう?
【きつい】
何がきついかは、感じる人の能力や価値観によるところが多いと思いますが、仕事の質、量、数、時間制約、労働環境、人間関係によるものだと思います。
質の高い仕事を求められると疲労するのが早く、やることが多いと慌ただしくなり、余裕がなくなります。対象者が多いと安全管理を行いつつ、1つのルーチンを終えるのに時間がかかります。
分かっているのに手が付けられないのも負担感につながります。安全にまわすのが厳しいマンパワー不足、仕事を抱えている人とそうでない人の差が激しい、にもかかわらず給料が同じだと尚更です。
【きたない】
よく言われるのが排せつの介助や片付けです。
においがあり、細菌があり、ねばって衣服につくととれない、濡れたらふき取りや着替えが大変です。それも、授業や授業準備・片付けの合間に済ませて、次のことをしなければならないので、時間に追われて慌ただしいです。
においはマスクをするくらいしか手軽で現実的な対応は思いつきませんが、清潔さを求めるならコツはいくつかあります。まず、手袋を二重にすることです。汚物に触れてしまった、おしりふきで拭いた手は清潔とはいえません。しかし二重にすることで汚染された表の一枚を捨て、作業を継続することがあります。看護師さんはよくやっていますが、学校には浸透していない文化のようです。手袋をたくさん使ったら在庫が…と言われることがあります。感染対策と健康安全を最優先に考えるなら手袋をケチるのはナンセンスですが、コストを優先するなら避けて通れません。そんなときは利き手を二重で、非利き手はフリーにして汚物処理には参画しないルールを課すこともありました。(推奨はできないです)
あと、どんなものでも汚物がでたら一時的に広げて放り込むビニール袋を出しておく、おしりふきはトイレットペーパーと組み合わせておく、などで手順を簡素化させて、途中で目や手が離れてしまうリスクを避けることもおすすめです。導線をイメージして物や介助者の動きを決めておけば、途中で汚れそうになる場面は予想できますし、汚染があったときをふまえて何を準備しておくべきか分かってきます。
あと、手を口やズボンの中などにつっこんでしまうのもきたない、といえばそうだと思います。教員は手袋をする、時間を決めて消毒する、手洗いをすすめる、などしか対策はないような…。
「わざわざ手袋なんて、その子を汚いと思っているの?」と年配の先生に指摘されたことがあります。
どうも、ウィルス等=児童生徒と混同されているようで、感情と衛生管理の線引きができていないのは困ります。教職員は自分を守る、他の児童生徒に感染を広げない、同僚を守る、学校に直接かかわっていない家族を守る、このへんも考慮して、リスクをふまえてどこまでOKで、どこからはダメか、冷静かつ客観的に判断できたらと思います。(次回→危険について)