学校の文化 担任の先生より

620)特別支援学校 3Kなのか、どうなのか②

先回、労働環境における「きつい」、「きたない」について考えてきました。
今回は「危険」について考えてみます。

ちょっと考えてみたんですが、誰にとって、どんな危険があるのか?と思うと、多岐にわたるんじゃないかと気づきました。それでも、ここでは労働環境に焦点をあてているので、「教職員にとって」にしぼっていきたいと思います。

【どんな危険】
教職員にとって、学校には二つの危険があると思いました。

1つは、すぐに思いつく身体的な危険です。
もう1つは社会的立場に関する危険です。

身体的な危険は学校での様々な場面で想定できます。
どの範囲なのか、あまり丁寧に考えたことがないので、これを機会に10個くらい書いてみます。

①熱中症(子どもと同様、大人もリスクにさらされます。屋外での活動、校外への引率もあると思います)
②子どもから殴られる、蹴られる、噛まれる(子どもの感情表出と結び付けて、容認するのに賛同できません。)
③転落(高所作業、水泳指導、校外での引率、など)
④切り傷や刺し傷など(美術での作品づくり、など)
⑤熱傷(調理実習や、はんだごてを使った作品づくり)
⑥髪の毛をひっぱられる
⑦捻挫や腱損傷(体育で走る、逃げた子どもをおいかけた、などのときに起こる)
⑧感染(飛沫や、傷口等からの感染)
⑨切断(農機具や調理器具などの使用による
⑩交通事故(屋外での引率のとき、など)

よくあるのは②と⑥だと思いました。
髪の毛を割り増している方は気をつけてください。

【社会的立場】
客観的に見て、教員って気の毒な仕事だなぁと思うことがよくあります。

「いじめが起きていた、教員は何をしていたんだ?」
「教員の専門性とは、かくあるべし」

1学級あたり40人くらいの子どもがいて、1人の教員から学習内容が発信されて、それを個々の子どもが受け止めて学ぶという昔の形なら理解できますが、日本の公立学校の教員が求められる仕事の量と範囲は常軌を逸していると思えます。

集団から個別へと価値観が変わっても、教員の数やシステムは大きく変わっていません。

子どもが校内にいる時間、子どもが登下校した前後、丁寧な仕事をしていたら、学校に泊まり込んでも仕事は終わりません。真面目で、仕事を意欲的に進めようとする先生が疲弊し、疲れて倒れると穴を開けたことについて責任を問われます。

現代の教員が抱える「危険」は子どもがいる時間に起こる目に見えるものと、現代の教員の仕事にかかわる見えないものがあると思います。昔のドラマにでるような熱い先生は英雄になるか、倒れるかのリスクを抱えています。生き残るには有能で、やりすぎないことが大事です。