特別支援学校の教室を見たことがあるでしょうか?
画像検索や、学校のホームページなどを見れば、その様子が分かると思います。
それを見ると、どこもカードが並び、教材(遊具)があり、ボードがあり、構造化された環境だと思われるでしょう。おそらく、多くの画像で見られるものは、朝の会などで一日の流れを表示したものだと思います。それらは、学校の一日の流れを示しており、「今日は何をするのかな」、「次は何をするのかな」と分かるようにしていると思います。
【教室レイアウトを決める前に】
前年度のものがごっそり残っているときは、子どもたちもその中でどのように動いていたか察する必要がありますが、真っ白な教室の場合、いきなり物を入れると、後で教室内の荷物を右に、左に動かすことになります。そうならないために、まずは、その教室に何人入るのか、何に使うのかを確認する必要があります。
たとえば、登校して5人集まる、荷物を入れる、朝の会をする、授業は他の教室に集まる、給食は食べる、昼食後に身体を伸ばす、下校準備をしたら、帰りの会は再び他の教室に集まる、としたらどうでしょう。
どんな導線で教室に入って、荷物をどこに入れるか(ロッカーの配置)
荷物を片づけたらどこに並ぶか(並ぶ向きや順番の設定と、スペースの確保)
朝の会で何をするか(ボードやカードの準備)
一日の流れをふまえることで、どこに何を置くか、導線やスペースはどうしたらいいか見えてきます。これらのイメージなく、大荷物を入れるのは混乱のもとです。
【しるし】
誰が、何を、どこの場所に置くかは、子どもが荷物を置き、片付けるのにかかる時間、手の届く範囲、教室に来る順番などを加味して設定します。場所が決まれば、名前や、色、シールなどで誰の場所か分かるようにします。このとき、誰のために表示をするのか考えます。子どもは何を手がかりにして、物を入れるんだろう?だけではありません。そのロッカーを普段見ないサポートに入った先生のことも考えたほうがいいと思います。ルールが分からない教室で、子どもに指導する立場になったらどうするか?と。ここは想像力の世界です。
【教室をつくるということ】
教室を作ることは、教員の指導する環境を作ることです。
また、子どもが在校時間に生活する空間を作ることでもあります。
子どもの生活支援のために、どんな環境を設定しているか、校外や保護者にわかること、応援の先生が来たとき、すぐに対応できること、このような広い意味のを含んだ環境づくりも考えたほうがいいのかなーと思います。結果的に、そのほうが使いやすく、時短や労力の軽減にもつながります。