学校の文化 担任の先生より

666)特別支援学校 男女一緒のプール指導

ネット記事で、高校生のプール指導について、「男女が同じ時間で行われることに違和感がある」、「体型など気になるところがある」などの声が寄せられているとのことでした。

正式に言うと、プール指導ではなく「水泳指導」と言うのですが、男女同じかどうかよりも、もし分けるとなったら教育課程上の時間の割り振りが非常に煩雑(中止になったときの対応も含めて)、指導体制の確保、設備管理、着替えの時間と場所などが課題として挙げられます。

余剰人員はなく、通常運営するマンパワーしかないので、補足的な業務はすべて正規の時間の上乗せになって教員に降ってきます。教員の仕事は、今、配慮と忖度と指示であふれています。「生徒のことだから、それくらい配慮しないでどうする!」「公務員として、それが仕事でしょ」の積み重ねが教員の働き方を厳しくしているといえます。そうして、何が必要最低限必要か否か、判断することもできない状況です。(何かあったらどうするんだ、が足枷になっていたりします)

【特別支援学校の水泳指導】
さて、特別支援学校の水泳指導ですが、考え方は体育と、排せつの指導をミックスした感じで指導体制が組まれます。人数が多くて監視員の先生の目が届きにくい、指導体制がとれない、継続的に入水するには児童生徒の体温管理や体力をふまえて難しい、などがあるので前半と後半に分ける、あるグループは早めに教室に戻って着替える、などの対応をします。

【指導体制】
同じパターン、同じ人同士の組み合わせが一番シンプルで楽なのですが、そうもいかない事情があります。

・その先生以外の人も指導できるようにしないと、いざという時に困る
・水泳指導予定日の中で、この日は〇〇先生が出張です
・監視員は〇〇先生で
・同性介助(入水、不測のトイレ対応、着替え)を守る
・教員の負担感が偏らないように
・場合によって複数対応できる準備

などがあると組み直しになるので、水泳指導を行う前に指導体制(複数パターンを設定)し、事前に学部会などで確認してからスタートするのが常です。そうなると、当日、どのような配慮をして指導するか、それぞれの先生が自分で確認しておかないと事故や連携がスムーズにできないなどの問題が起こることがあります。

とにかく、教員は自分の役割を確認しながら、全体がどう動いているか把握することが求められます。また、指導場面だけでなく、事前に確認すること、終わってから確認することはないか、常にアンテナをはることになります。