「生きる力」、「国際社会に生きる日本人の…」あたりから、いつか投資や金融に関する指導も大事と言われるかも?と思いつつ、リスクがあり、投資のやり方を間違えると大変なことになる場合もあるから、公教育としては適切でないとも考えていました。
が、いよいよやるんですね。
どうするんだろう?と思います。
【投資って何でしょう】
高校生が学習するということですが、特別支援学校の高等部でも教育課程が準じていれば行われると思います。
金融庁からは「基礎から学べる金融ガイド」などの教材が作られ、家計管理や生活設計の必要性、預貯金・保険・クレジット/ローン・投資に関して最低限知っておくべきことなどをまとめています。
例えば、新しい「お金」の授業というレジュメでは、家計管理のポイントとして
× 収入-支出=貯蓄
〇 収入-貯蓄=支出
と示されていて、「家計管理にあたって、もう1つ考えていただきたいのは、自分は将来どんな「暮らし方」をしたいか、ということです。例えばですが、どんなふうに仕事をしたいか(会社員?起業?など)家は買いたいか(買うなら何歳くらい?どんな家?)、子どもは何人ほしいか、どのような教育を受けさせたいか、といったことです。もう少し歳をとったら、老後の生活についても考える必要があります。」
だそうです。収入があって、入った分を使って、残ったものを貯金していたら、先々のリスクに対応できないでしょ、だから計画的に決めた額を貯金できるようにするんです、ということです。まだ、お金を稼ぐことと、使うことについて十分に経験が積めていないうちから、この貯蓄術は働き始めて、お金を使う経験を積んだ人が聞く内容ではないかと思いました。
ある分で買う、計画して買う、固定費をふまえて買う、など様々な使い方を知り、ライフステージが進むにつれて変化していく状況に合わせてどうするか学ぶのが私の金融教育でした。使うことで自分の経済力を知ります。使う物についてどれくらいの質や量でおさえるか、家もどれくらいの部屋で済むことが妥当か、経験のなかで学ぶものだと思っていましたが、現代は違うんですね…。
もし、自分が高校時代に将来必要なこととして、どんなものがあるか提示されたら、最終は老後があって、それ経費を準備するには、子どもの教育費とか家とか、無理だと思ったかもしれません。当時はバブルのにおいがありましたから、真面目にやっていれば何とかなると思えた時代です。それに比べて今の学生の時代は競争社会のなかで、高等技術を習得しながら、目標を立てて具体的に行動することが求められているようです。
【具体的にどうする?】
金融に関する知識やテクニックは紹介するにとどめておいても、「実際生活に活きる…」と、成績をつけるための「成果」に話がいくのではと思います。「~できた」というために、どんなことを金融教育でやるかなと想像してみました。
・投資のルーツ:船を行く商人にお金を渡し、無事に戻ってきたときに利益の一部を受け取る、という投資のルーツの1つをとりあげ、「これを売ってきてね」→「いってきまーす」→「売れたよ」→「やったー、山分けだ」の成果報酬型の体験学習とか、面白くないですか?
・5月に野菜の種を買ってきて、託す→作物をつくったら、お礼として渡す。投資と収益の関係です。
・お金の使い方として、賃貸の間取りと賃料を示したものを列挙して、間取りや築年数、駅からの距離の違いも含めてどこに住むか考える、もありだと思います。
【金融教育】
実際は、本人が求めて情報を集めるか、実生活で失敗を繰り返しながら自分のパターンを構築するか、保護者と一緒に生活費について話し合うことが、遠回りのようで一番身に付く方法だと思っています。死とお金についてはデリケートで、踏み込みにくくなってきたと思われる昨今、誰が、どの時期に、どんなふうに身に付けていくのがいいのか家庭でも考えてもらえたらと思いました。