介護保険のなかで事業所を通じて高齢者のもとに向かう介護職(以前のヘルパー、など)とは違い、自分の生活を構築するためのサポーターとして派遣される身体障害者分野の介護職、そこには大きな違いがあります。
知的に高くて(標準的)で、社会性があると、何らかの自己実現がしたいと思う、と思われます。
自分が自己実現をするには、社会にあるサービスにはどんなものがあるか調べます。
年金や手当があると分かり、自分がそれに該当すると分かれば申請しますし、公的サービスがお得に利用できると分かれば、利用する度にカードか何かを提示すればいいと思います。
カスタマイズできたら、あとは自分が求める生活を構築します。私も部屋の模様替えや、能動的に活動し始めたときのワクワク感が好きで、前向きに生活を作っているときって、楽しいと思います。
【カネやモノならいい】
自分の理想の生活をつくるとき、お金(収入)をもう少し増やそう、あの置物があるといいな、などの自己完結的な要望だといいのですが、そこに自分以外の人がかかわってくると、話がかわってきます。
自分の理想は自分のもので、他者が共有や共感、理解できるとは限らないのです。
身障をもつ方がいて、自分が安全で、納得する生活様式を追求されていました。その方の介護をするヘルパーさんは利用者さんの支援を把握し、支援ごとに求められることを理解し、要望に応じて対応します。変更点があったときは実際それができるように確認作業をします。そうして、ミスがあったときは、なぜミスがあったのか、どこを改善すればいいか反省をするそうです。
その結果、その方の支援に入ることができる人は限定され、24時間の支援が必要にもかかわらず、シフトを組むことが非常に困難になっていると聞きました。障害の程度や種別にもよりますが、なかには医療的な知識や技術が必要な場合があります。ヘルパー講座(今の初任者研修)を受けた人では難しいでしょう、経験や技術についても、そんな人が訪問介護分野にどれくらいいらっしゃるでしょう?同性介助を必要とするなら尚更です。
【お互いに必要な視点】
支援者も利用者も、どちらも意識したほうがいいのは、「継続可能な支援」です。前述したヘルパーさんは、日によって交代できずに4日付き添うこともあるそうです。安定した支援が継続されるには、マンパワーの確保と、偏り過ぎない支援内容の共有です。どこまで内容や質を確保するか、ニードのインフレに合わせていくと、どこかで破綻しそうな気がします。
手続きが複雑になり、ミスが起きやすい。
連続勤務で疲労困憊
細かいところが気になってイライラ
前に伝えた変更点が共有できていない、知らない
支援には「何を」「どうする」の方法の共有が必要です。
日常の支援は一瞬のパフォーマンスではなく、継続性が大事です。
支援内容の検討だけでなく、今ある人的・物的資源を用いて、どこまでできるか確認することも大事だと思いました。