高齢者の運転免許の更新のとき、4×4=16個のイラストを見せて、そこに何が描かれていたか答えてください、という短期記憶のテストがあり、机とか、上着とか、ベッドとか、カセットデッキなどの絵が並び、しばらくそれを眺めて、何があったか記述するそうです。
ネット上では何の絵がでてくるか掲載されていたので、これを全部覚えて臨めば大丈夫じゃん!と言ったものの、どのパターンのカードが出されるか分からないし、素直に覚えて答えたほうがよくない?ということで話が落ち着きました。
このテストは、短期記憶のほかに、提示された複数の情報をどのようにまとめて頭に入れるか?というテクニック的なものも含まれると思いました。
【テストで分かること】
短期記憶といえば、HDS-R(改訂長谷川式簡易知能評価スケール)もあったなーと思いだしました。
「これから3つの言葉を言いますので、覚えて下さいね」
声に出してから
「後でまた聞きますので、覚えておいてくださいね。」
ということで、間が空いても記憶としてとどめておけるかというものです。
このテストには、他にも「お歳はいくつですか?」「今日は何年何月何日ですか?」や「いま、ここにいる場所はどこですか?」といった質問もあります。
【夏休みにはいると】
夏休みになると、日付が分からなくなることがあります。あるのは、今日は休みか出勤か、です。
曜日についても、時間割を確認するので曜日を把握する意味があるのですが、そうでなければどうでもいい情報になるでしょう。
人間は、繰り返し確認する機会があり、普段必要性があって使うからこそ、時間や場所の理解を必要とします。しかし、すでに仕事をリタイヤし、特にこれといったタスクを背負わない生活を繰り返していたら、認知症の有無にかかわらず、「回答できない問題」ではなかろうか?と思いました。
作業療法の学生だったとき、主に老年期の患者さん向けの評価のバッテリーとして学んだHDS-R、夏休みの中盤にやったら、私も軽度の認知症ではと評価されてしまいそうです。
【アセスメントの不確かさ】
研究や評価をすすめるうえで、何か根拠になるものを、何か数値を出しておいたほうが、と検査バッテリーを活用したくなるものですが、その検査の対象や年齢などのほかに、その検査の項目によって、該当する方の何を知ろうとしているのか、もっと考えなければいけないなーと思いました。