特別支援学校には、下校時にお迎えがきて、放課後デイの方が児童生徒を車にのせていきます。
学校ではコロナウィルス対策で、学部間、学年間の交流を制限したりして、小集団が触れ合うことからの大規模なクラスターにつながらないように配慮してきました。
しかし、いくら学校で区切りをつけたとしても、登校時のスクールバスと、放課後デイは学部・学年の枠を超えて、同じスペースに共存することになります。
【感染者がでた】
感染者が出た場合、その児童生徒の行動範囲や接触者の特定に入ります。濃厚接触者はすぐに下校(大人の場合は退勤)となり、スクールバスと放課後デイに関連する児童生徒は特に注意して、更なる感染を引き起こさないようにしています。
放課後デイは学校ほど人の離合集散はないものの、様々な子どもを受け入れているだけに、多くの環境をくぐりぬけてきた子どもが集まる訳ですから、感染リスクは比較的高いかもしれません。構成メンバーについて、具体的に列挙すると、その範囲の広さを感じることができるでしょう。
職員A:家族と同居、放デイには車で通勤している。
職員B:単身世帯、電車を乗り継いで放デイに出勤している。
職員C:家族と同居、バスに乗って、放デイに出勤している。
子どもA:両親と同居、高等部1年所属。
子どもB:両親と同居、小等部2年所属。
子どもC:両親と同居、小等部2年所属。
子どもD:両親と同居、小等部5年所属。
子どもE:両親と同居、中等部1年所属。
子どもF:両親と同居、中等部3年所属。
大人も子どもも、いろいろなところを移動し、所属し、集まっているということです。
この日、子どもCに発熱があり、検査してみたらコロナウィルス陽性であることが分かりました。
この日に集まった大人と子どもも検査し、濃厚接触のために子どもについては出席停止になりました。
【調査のモレ】
ところが、前日にも子どもCはこの放課後デイに参加しており、この日にはいなかった子どもWについては連絡されず、子どもWの保護者も何も知らされていないので、通常通り学校に登校し、放課後デイに通いました。ところが、子どもWも発熱があり、検査したところ陽性であることが分かりました。
感染の恐れはどの範囲か意識して、過去と現在を見回していれば、子どもWの保護者にも連絡できたかもしれません。結果的に濃厚接触者特定のモレがでて、感染リスクを維持したまま、次のクラスターのリスクにつながることになりました。当然、濃厚接触者の数は増え、収束に時間がかかりました。
子どもにかかわる仕事は様々なリスクを伴います。その場上手な指導ができるだけでなく、平常時にない事態が起こった時にどうするか、そこが知識と経験の見せ所です。それだけ、幅広い専門性が放デイや学校の教員に求められます。