担任の先生より 雑記帳

710)特別支援学校 技能実習生 就職先との面談

特別支援学校にも、就労先との面談があります。

どちらかというと進路部などがアシストして、保護者と生徒、就労先がつながるのですが、直接話せるのか、オンラインでやるのかなど、課題は様々です。

これまで学校という温室にいて、企業さんに失礼はないか、素が出過ぎてガッカリされないか、とにかく心配はつきないのです。今回、介護の現場に行くであろう、外国人の技能実習生の企業面談に出くわしました。このとき感じた緊張感は、学校での進路指導と似たものがありました。

【面談時の自己紹介の添削】
生徒同様、日本語を学び始めて1年半ですから、言葉の使い方や伝わりやすい文脈などのチェックが必要だと思いました。あくまで今の状態を知ってもらうことが第一なら、むやみに手を入れる訳にはいかないと思っていましたが、さすがに見過ごすのはどうか、今後の日本語学習のための手がかりになれば、そんな思いで手を入れました。

例えば

・〇〇さんは〇〇さんは、と何度も主語を入れるので、話の流れができるよう接続詞を活用した。

・Aさんから〇〇をもらった、Bさんから〇〇をもらったと列挙していたので、支援者の方々から〇〇や〇〇を頂き…と同じようなエピソードをひとまとめにした。

・~を学んだ、~していきたい、などの一文を入れて、「~をしたので楽しかった」、「~を食べておいしかった」から発展的な表現になるよう工夫した。

などです。

思いついたものをそのまま書いていく段階から、相手に分かってもらえる表現にまで踏み込みました。話の流れができていると、句読点によって読みやすいものになるようでした。

【視聴覚機器】
必要になった情報機器のセッティングは、パソコンにプロジェクタをつなぎ、面談していない人も相手の様子が見られるようにする、企業側と実習生側の会話が聞こえるようにする、が主でした。

使用する部屋の広さや明るさをふまえて、どこに実習生を並ばせるか、情報機器をどこに置くか、距離感はどれくらいか考えながらレイアウトを作っていきます。移り具合や声の具合は、実際の実習生さんがいないと分かりません。別途休憩していた彼らを呼んで並ばせたり、本番ばりに声を出すよう促したりしました。

【終えてみて気づいたこと】
あるがままを見せて、企業側に覚悟してもらうか、期待感をもてもらうためにデキるところを見せるか、学校と同じようなジレンマを感じました。多くの企業や団体さんとつながる教員は一部しかいないと思います。だから、学校の教員は企業などの民間の雰囲気が分からないのではと思っていました。今回の支援を通じて、学校で感じるモヤモヤは学校だけのものでなく、民間でも感じられるものなのだと分かって、内心ほっとしていました。