昨日の続きです。
ADL(日常生活動作)の場面で、観察しながら助言・指導することで、子どもの表情が多少やわらかくなったようです。
指導方法について、非情かもしれない、かわいそうかもしれないという葛藤がありました。一度、突き放してみないと自分でやってみる、やり方を理解する、身の回りのものを把握する、といった機会は得られないと思っていましたが、最も望んでいたことは、子どもができる・できないにかかわらず「なんとかできるよう、自分でやってみよう」と粘り強く取り組むことでした。
【主体性】
今日の下校時、上着の前チャックができないと目の前にきたので、「今日はボタンをとめてみる?」と提案してみました。これはね…とボタンの凸凹を見せ、手をとって「パチン」とめる感覚を味わってもらいました。
その後、その子は壁にもたれて座り、両手でボタンを合わせながら、5分くらいぐりぐりと動かしていました。
そのボタンをとめるには、パワーや瞬発力が必要なので、難しいだろうと思っていました。それでも、簡単に投げ出さずにトライし続ける様子を見て、 諦めないで頑張っているなーと思いました。
「なかなか、とめにくいね。」と言いながら、ボタンをとめるのを手伝いました。できないことは悪いことではないと思います。やってみれば、ボタンとは何か触れて分かるかもしれません。
これは1人ではできないものなのだと気づけるかもしれません。もし、もう少し指先に力があったら一人でできたかも、と思うかもしれません。
【成功の感覚】
余談ですが、ズボンを脱ぐ時、すそをもたずに踏んづけながら脱ぐと、裏返しになってしまうと思います。その方法は、「とにかく脱げればいい」と考えるなら、それでもいいのですが、下校前に再び着替えで着るとなると、裏返しを修正するか、裏返しにならないよう脱ぐことが必要になります。
私的には、まずはすそをもって、裏返しにならないようひっぱりつつ、足をズボンから引き抜くことはできないかと考えてやってみます。その方法はできないかもしれません。それでも、ズボンから足を抜くときに感じる感覚を覚えていれば、それが「成功の感覚」だと記憶できるかもしれません。
いつかできるかもしれないならば、その感覚を求めて練習すればいい。できなくても介助してもらいつつ、何をしてもらっているか把握できるかもしれないと思います。もし把握できれば、協力動作という形で取り組めるかも、と期待できたりするのです。