初任者の先生向けの、車椅子・介助の研修がありました。
肢体不自由の特別支援学校だと、日々の指導や支援に直結するので、聞いたことをすぐに活かせます。おそらく、基本的なことを一通りやれば、自分が担当する子どもの場合はどうするか、という流れにスムーズに移行できると思います。
しかし、知的障害の特別支援学校の子どもの場合、車椅子の介助や、起き上がりなどの動作の支援をする機会があるだろうか?自分のクラスの子は車椅子を使っていないし、起き上がりや立ち上がりは自分でできる。この研修自体に何の意味があるんだろう?と思うかもしれないなぁ、と見ていてそう思いました。
教職員の初任者の研修は、いろいろなものがテーマになっています。
「とにかく研修することが仕事」で、内容の良し悪しについて考えることはタブーです。何件か、「分かりにくい」、「独りよがり」な研修だったとして、正直に感想を書いて提出したら、学校長を通してお叱りが入ったという話を聞いています。より良いもの、初任者のためになることを考えない講師がいるとしたら、反省すべきで逆ギレするなんて大人気ないと思うのですが、そうはいかないみたいです。
【研修の内容】
肢体不自由の特別支援学校であっても、知的障害の特別支援学校であっても、口頭での言葉かけや身体介助があります。経験的なのですが、基本は同じでも応用として求められるスキルと、場面が異なると思います。理想をいえば、基本さえやれば、個々が見ている子どもに照らして指導方法が分かる!というのが理想なんですが、実際は難しいと思っています。
となると、所属に応じた研修をするか、基本的な研修であっても、それを活かして指導できるよう観点を示すことが大事なんだろうな…と思います。
【肢体と知的で違う推し】
知的と肢体の学校で、何を中心にみたら子どものことがよく分かるんだろう?指導に活かせるんだろう?と思いました。
肢体:車椅子については、ブレーキとフットサポートの取り扱い、ティルトやリクライニングの使い方、移乗が主になると思います。介助については、姿勢変換時の感覚(圧・触・視)の変化や重心移動、物体が安定する条件(運動学)、主要な関節をおさえておけば、多様な子どもに合わせる基礎が分かると思います。
知的:車椅子について、バスでの移動時のシーティング、遠距離移動や怪我をした時の移動で車椅子を使うことがあるので、両手両足の位置の落ち着かせ方、怪我を想定した環境設定を知ることが大事だと思います。介助は重心移動、移動時の誘導が分かれば役に立つと思います。
教える人は聞く人の状況に応じたものを取り扱ってもらいたいし、聞く人は研修の内容の本質を見つけて、実際の指導にどうつながるか、頑張って考えてもらいたいと思います。