学校の文化 担任の先生より

782)特別支援学校 外と中の異動

異動について調べる機会があり、異動に関するルール、異動に関するエピソードなどの情報を仕入れています。どうも公的な文書は具体性に乏しいです。(歯止めはかけるけれども、決めすぎて学校現場が動けなくなるのは困る、ということでしょうか)

学校の現場にいて、異動と聞くと二種類が思い浮かびます。

【学校間の異動】
お馴染みの異動です。

A学校からB学校に変わるなど、通う先が変わる異動です。

学校間の異動は、通勤先が変わるので、日常生活のリズムも変わります。

起きる時間、家を出る時間、通勤経路が変わります。

学校のハード面、ソフト面、運用は変わりますし、学校の地域性も場所によっては色濃いです。

法律や学習指導要領などで枠組みが作られているので、どの学校も同じような感じと思いきや、実際に働くことになると、結構大きな変化を感じます。それでも、基本的に何をするかという原理原則と、経験さえあれば、それなりにレールに乗って走れるのではないかと思います。

職場には、それなりに慣れてくるものと考えると、大きなのは通勤かなぁと思います。

【学内の異動】
特別支援学校あるあるの異動です。

特別支援学校には、同じ学校のなかに肢体不自由の学校と、知的障害の学校がセットになっていること

小学部、中学部、高等部と、本来別の学校であろうものが混在していること

がよくあります。

一番多機能なのは、複数の障害種別の学校と、小中高がすべて含まれる学校です。この中で、学内の異動が行われています。学校間の異動なら、3年や6年と複数年のスパンで同じ所に通って足場を固めていくことができますが、学内の異動になると、同じ学校のはずなのに、見えてきた1年の見通しの大半がリセットされます(運用方法が全く違うため)。

同じ学校でも、所属が違えば見る角度が変わり、視野が広がるという見方もありますが、所属の変更(異動)を繰り返すと積み重ねがないので「1年間を見通した指導」のイメージがもてないまま、手探りで過ごす機会が増えます。また、新しい所属になると、所属先の仕事の仕方や人間関係を一から構築することになるので、様子見する時間が長くなります。

なので、個人的な意見ですが、学内の異動はしないほうがいいと思います。まずは同じ場所にいて、足場をかため、できる領域を広げ、自分の器を大きくすることをお勧めします。(違う部署の経験は、学校が変わる異動のときにできる)

例としてどうかと思いますが、一つの学校にいて、5年連続学内異動と、公務分掌を渡り歩かされた人がいました。ここまでいくと、「体よく使われただけ」、「使い捨て」のようだと言っていました。

植物に例えると、成長に伴う植え替えは、次のステップに移行するために必要なことです。しかし、頻繁に植え替えをすると根が土に馴染まず、植え替えで一時的に弱った状態から回復しないまま、次の植え替えをすることになるので、生育上よくありません。

特別支援学校教員は異動は最低限、変わらないという人もいますが、仕事ができる、複数の教員免許がある、といったことで目を付けられると、腰が据わらない学内異動を強要される可能性が高くなるので、注意しましょう。