学校の文化 担任の先生より

795)特別支援学校 重度重複学級

特別支援学校には、重度重複学級というものがあります。ここに該当する子どもについて、明確な基準はないのですが、その説明は以下の通りです。

「重度重複学級は、特別支援学校の対象となる障害(学校教育法施行令第23条の3の規定)を二つ以上合わせ有する児童生徒が対象となっている。また重複障害学級では、1学級の児童生徒数は小学部・中学部・高等部ともに、3人を標準とすることになっており、障害が重複することで障害の状況が重複され、よりきめの細かい手厚い指導を行うことが必要であることなどを考慮し、1学級あたりの児童生徒数を少なくしている。」

【いいのか悪いのか】
1学級3人という枠があり、そこに重度重複学級に在籍することが適当だとされる子どもが入ります。

(利点)
・少人数なので、公約数(共通の課題設定や活動)を見つけやすい。

・リスク管理なども含め、子どもに目をかけやすい。

・どちらかというと量より質を求めやすい。

・じっくり、繰り返して指導することが好き・または得意な教員向き。

・子どもの実態を捉えることが得意な先生からすると、知識や技術の見せどころ。

・子どもの介助に時間や手をかけることができる。

・一日の流れやタスクをルーティン化できれば、低リスクで乗り切れる。

(難しいところ)
・人数が少なくても、指導困難な子どもが複数になると学級経営が非常に困難になる(遊出、他害、重度介助などの要因が組み合わさると、エラーが起きたときにカバーすることが非常に困難)。

・人間関係が固定化し、柔軟な学びにつながりにくい。

・指導する教員が限られてしまい、対応できる教職員が限られてくる。

・子どもへの個別のニード(実態に応じた対応、保護者からの要望)が細かくて、子どもへの直接的な指導以外の負担感が大きい。

・介助や指導、医療的な知識が求められることが多い。

【保護者の意見の違い】
重度重複学級に入れたい保護者の意見は、「丁寧に見てもらえる」「手をかけてもらえる」「ほかの動きの早い子への遠慮がある」が多い気がします。「能力を高めて」「とにかく安全に、楽しく」といったところを大事にしているのでしょうか。

反対に、重度重複学級に否定的な保護者の意見ですが、「うちの子はそんなできない子じゃない(能力主義・過信・障害の否認など)」「待てないから、スムーズにスピーディに流れるところにいさせたい」「たくさんの友だちの中で成長させたい」などがありました。

どちらがいいんでしょう?結局、子どもごとに違う障害特性や性格、何を大事に考えるかの優先順位だと思います。