担任の先生より OT・PT・ST

817)特別支援学校 触らないで

第二次性徴の芽生えでしょうか。

どうもこの半年前くらいから、股間を触ることが増えてきました。

待ちの時間になると、やることが多くなり

とうとうズボンとパンツを脱いで、何度か取り出しました。

どうしますか?

【10年くらい前のこと】
当時の中学部で、股間に手をやる子がいて、ズボンから手を入れないように、レオタードか、ロンパースのようなものを着ていました。

その子の時も、同様でした。ちょっと待ち時間や暇になると触ろうとし始めます。

手を抑える?
机を置いて、天板の上に手を載せる?

学習グループ的には知的のグループ(重度でも、自閉でもない)で、その子の股間対策に人を割く訳にはいきません。車いすの移動、歩行介助、学習内容の提示など、少ない人数でやることはいくらでもありました。

どうしたものかと困ってしまったのと、教員だけで結論を決めると保護者に無理を言いにくい、などの事情もあって、専門家の方に相談しました。その結果、「ヒマさせるな」ということに。

その後、教員がチームワークで集団をみていたはずなのに、「この子には個別の支援が必要でーす」と担任が個別対応に走ってしまいました。(専門家のお墨付きがでたので)

保護者には、いい顔ができます。

その反面、他の子どもの保護者に「あの子の対応に走ってしまったので、指導が手薄になりました」なんてことが言えるはずもなく、厳しい指導体制の飲まされることに。

【では、どうするか】
過去の教訓もふまえ、今回の子どもへの対応について方針を出しました。もちろん、その内容は子どもの言語理解や自己教育力などによって異なります。

原理原則として、授業中は触らないよう指導する。(言葉をかけたり、課題を出したりする)

トイレ以外では、性器を出さないことを指導する。

見通しをもって、今やること、次にすることを適宜提示する。(予定に追われる状況をつくる)

発散できるような、アクティブな活動を適宜入れる

性器を触ること、そのものを悪にしない。

保護者に説明し、どこはダメ、どこならいい、などの区別をつけるよう依頼する。

触りたいのに触らせないというのはストレスを与えることになります。将来にわたって集団の中で生きていくことを考えると、今は理解できなくても、基本的なマナーを教えておくことは大人の義務ではないかと思う訳です。