学校の文化 担任の先生より OT・PT・ST

829)特別支援学校 作業療法士向け特別支援に関する研修

職域の拡大、対象者の生活支援、社会からの要請に応える、などの理由で特別支援教育に関する研修会が行われています。

数字で把握できていないのですが、学校コンサルテーションを実施する作業療法士、特別支援学校や通常学校のなかに教員として採用される作業療法士などが少しずつ増え、情報の共有や、知見の蓄積ができるようになってきたと感じています。

今後も、少しずつ学校教育分野に足を踏み入れる人が増えてくるのではと期待しています。

ところで、よく行われている研修会の講師の顔ぶれを見て、「?」と思うことがありました。

【研修会の講師】
作業療法士の講師は、大学や専門学校等で作業療法学を教えている先生、小児(発達分野)の臨床現場にいる先生、特別支援教育にかかわってきた経験のある先生、作業療法士協会として文部科学省や教育委員会と話し合いの場をもってきた先生の面々がほとんどだと思います。

ところが、学校教育の側で呼ばれるのは、文部科学省〇〇、教育委員会〇〇の先生です。

職域や雇用、政策面については両者の立場で話すことができるでしょう。しかし、実際の運用についてはどうでしょう?作業療法士が学校に入り、対話することになる教員のことを誰が語るのでしょう?

【求められること】
今の自分が「作業療法士に学校にきてやってもらいたいことは」

その子に必要な指導のテーマを話し合って明らかにする
子どもの過ごし方(ADLや授業場面)について、シンプルで共有しやすい基準を一緒に考える
教員が時間とエネルギーを使いすぎない方法を助言する(削減やピンポイントで効果のあるものの提案など)
教員の仕事のなかで意味や価値があるものを評価する(承認)

これらを行うには、1時間の観察や評価だけでは難しいと思います。学校という職場や文化、教員の心情や勤務についての理解と情報の咀嚼、抽象的で申し訳ないのですが「寄り添う態度」がもっと必要なんだろうと思います。