年に2~3度、地域にある通常学級の児童生徒との、直接交流の機会があります。
特別支援学校の学級数をもとに、小グループをつくり、そこに通常学級の児童生徒が5人ずつくらい入って、準備してきた企画(ボーリングや的あてなど)を使って一緒に過ごすのです。
時間は1時間程度になりますが、通常学級の児童生徒について、おそらく前に出て場を仕切った経験はそんなに多くないでしょうし、障害をもつ子供たちと一緒にできることとなると、ハードルはグっと上がるだろうなと思うのです。
これは特別支援学校の教員も感じることだと思うのですが、この1プレーについて、自分なら1分くらいあればできるだろうと計算できると思います。しかし、自分のペースと違う人がやるとなると、どれくらいの時間が必要なんだろうか?と考えてしまいます。
実際に、直接交流の場において、一方的にみせるだけの出し物であれば、時間の見通しは立ちやすいと思います。しかし、一緒に何かを体験するものとなれば、時間の見通しは立ちそうでたたないのではないでしょうか。そのため、まずは特別支援学校の児童生徒の出し物をやって、その後に通常学級の児童生徒さんが準備した出し物をすると計画してしまうと
「時間が足りなくて、最後までやりきれなかった」、「思ったより早く終わってしまい、その後に、どう場をもたせたらいいか分からない」なんてことが起こります。
では、どうするかというと、まず、通常学校の児童生徒さんが先に出し物をやって、多少の時間のズレがありつつも、特別支援学校の児童生徒の出し物にバトンタッチしたほうが大コケは少なくなると思います。
通常学級の児童生徒には、彼らの担任が常時ついてフォローできない⇒自分たちでできることをやるしかない。
特別支援学校の児童生徒には、おそらく1~2名の教員が常時ついている。
普段、時間や成果の見通しが十分ないなかで授業をやってきた先生ですから、時間が少なくても、長くても、それなりに場をもたせて切り抜ける引き出しはある程度もっていると思います。
【価値あること】
まだ、価値観ができあがっていない児童生徒の段階で、自分とは違う人とどうかかわるか、相手のことを思って根回しや配慮をすること、これらはとても良い経験になると思います。大人になって、障害をもつ人とかかわるかどうかは分かりませんが、立場や専門性、能力が違う人とかかわることは多々あるのではないでしょうか。どんなキャリアに進むにしても、この経験はきっと将来活きてくると思います。