医師・介護・看護 学校の文化 担任の先生より OT・PT・ST

864)特別支援学校 理学療法と鍼灸

先日、鍼灸院に行ってきました。

そこに、鍼灸に関する冊子がおいてあって、手にとってみました。

そこに、「もぐさんぽ」のコーナーがあって、唯内喜史先生が紹介されていました。その方は理学療法士資格を取得したあと、はり師・きゅう師資格を取得して、治療院で働いているとのことでした。

【リハの仕事】
御存知のように、リハビリテーションにかかわる資格では、そのものだけで開業することはできません。「医師の指示のもと」がネックになっていると同時に、そこに守られているところがあります。

医療として科学しようとするけれど、患者さん、利用者さんなどの生活を見ながら支援することが求められるので、曖昧さや妥協があるのは仕方ないと思います。

何はともあれ、理学療法は科学、鍼灸は数値では語れないけれど良いもの、と思います。

患者さんの課題が明確ならば、そこに対して最も効果的な治療を行います。

しかし、課題の原因の所在が分からない、仮説の段階から脱することが難しいときもあります。そんなとき、どうするでしょうか?当たり障りのないことをしてやり過ごすか、とにかく時間をかけて評価を継続するか、違う視点で評価して対応するか、などいろいろあると思います。

「自分の流派や専門職としての専門性にこだわらず、目の前にいる人のためにできることをしたい」

そう考えるならば、複数の専門性を身に着けて、視野とアプローチの引き出しを持ちたいと考えるのは自然な流れかもしれません。唯内先生は「西洋医学と東洋医学の、それぞれできることとできないこと、得意不得意を把握して、目の前の患者さんに何が必要なのかを中立的に考えたいと思っています。」と言っています。理学療法と鍼灸、これらの極端なものを受け入れるあたりは、自分のような作業療法と教員免許という比較的近いものをとって済ませてしまったのと随分違うなと思います。それだけ違うものを両立させる器があるということでしょうか…(汗)

【教員こそ】
教員こそ、様々なニードが目の前にあるのだから、いろいろなことを見分して、身に着けて、できることをやったらいい。固定の専門性がないからこそ、それができると考えていました。

「やってあげたいから、やる」

やると決めて、やるからには経過と結果に責任を持つべきだと思います。ケガをさせないか、誤学習させないか、過負担にならないか、継続や継承は可能か、それを考えると今の教員には難しい条件が様々です。

同時に抱えるタスクが多い、エビデンスを語るための知識が医療職と比べて圧倒的に少ない、個性が多様で同じ視点や価値観を継承することが難しい、自分で作り出す指導よりも指示されて行う指導が多い、これらが教員自身で文化を継承させるのを難しくしているのです。