姿勢保持が若干安定してきた
体幹や上肢のパワーが若干ついてきた
姿勢反応を発揮しながら歩行できるようになってきた
指導目標として「注意の持続」をアップさせるために考えたこと。
「自分で自分のお盆を運び、机に置き、給食を食べ始めること」
学校におけるADLで大事だと考えていることは、すべては細切れの活動や評価ではなく、連続性のある学校生活のなかでできることを増やし、点を線にしていくことです。
座っていれば、自分が食べるものを、食べられる形態(かたさや大きさ)にしてもらって、どうぞと言われて食べ始め、食べ終わったら下膳してもらって、「ハイ、ごちそうさまと言いましょう」で終える食事が「自分で食べることができる」と胸をはって言えるかどうか、です。
支援や介助を受けながらでも生活を成り立たせているならば「自立」と言えるそうですが、それは当事者目線で生活が安定して送ることができているかどうかの話であって、自分でできることを増やす、生活経験を積んで環境の変化に対応できるようにする、自尊心を高める、という点においては十分でない気がします。
【私が?自分で?】
初回、食べるために、机のうえの物を片づけるところまでできました。
さて、次です。
「お盆を指さして、自分で運んでくださいね、どうぞ」とサラっと伝えてみました。
え!?という顔をしましたが、とりあえず両手をお盆の側面にかけてみます。この、かけてみることができるようになったのも、このチャレンジのための条件でした。
できるかどうか分からないけれどやってみる、これが少しでもできるまでに1年以上かかりました。
よた、よた
お盆の上をじっと見ながら、少しふらつきながら、慎重にお盆を運びます。
トレーの中のスープが、お盆の中でこぼれ、それが少し床に垂れました。
まずは、お盆を机の上に置くことができました。
まだ、食べてはいけません。
「床にスープがこぼれたから、拭いてください」
ティッシュ(本当はトイレロール)と、拭いた後にそれを入れる袋を出してきて、彼にそれを渡しました。当たり前のようにでてきて、当たり前のように食べていた点から、その前後に起こるエピソード(線)を一緒にたどります。
当たり前じゃないんです。
どんなサポートを受けてきたか、経験して感じてもらいます。
連続性のある生活を、自分で作るとはこういうことだと気付きます。