学校の文化 担任の先生より

884)特別支援学校 学習評価法 保護者指摘受け年度途中で変更

ヤフーニュースで、中学校が保護者の指摘を受け、年度途中で一部の教科で学習評価方法を変更したと明らかにした、と出ていました。

【記事の内容】
中学校では「知識」と「技能」の割合を1対4にしていたが、保護者から「テストの点数が高いのに評価が低い」という声が寄せられたことに対して、「知識」と「技能」の割合を1対1に変更したというものです。

【多様な価値観】
例えば一件の食品スーパーがあって、食品だけだと便利でないからと、ドラッグコーナーを作ったとします。「こんなこともやるのか、いいね」と評価されたら、もっと顧客満足のためにと考え、次は100円均一ショップを取り入れました。

お店は繁盛して、更に自転車屋さん、おもちゃコーナー、フードコートを入れていきました。

ところが、その店のお得意さんがやってきて、「昔あった食品コーナーの地域物産コーナーがなくなって、私の満足度が著しく減少した。どうしてくれるんだ!」とクレームを入れてきました。

さぁ、どうしますか、みたいな話です。

【誰を満足させるか】
店の大枠をどうするか、何を売るか、どのように売るかは店の運営側が考え、決定していきます。もし、この店が食品とドラッグコーナーだけで止めていれば、この二種類の比率を調節することで、妥協も含めた着地地点を見いだせたかもしれません。

ところが、すでにテナントがたくさん入り、それによって満足してくれる顧客を獲得してきた経緯があります。

かといって、お得意さんの声を無視することもできません。

結局、お店はお得意さんの言うことを聞きました。いくつかのテナントに撤退してもらい、内装を大幅に変えて、事なきを得ました。

ヤレヤレと思っていたら、お得意さんBが登場しました。「この店ですべてが揃うから便利と思って、車を売ってしまっていたのに、どうしてくれるんだ!」

【均質化】
今回のニュースは、評価基準についてでした。

「最近の学校は応用が利かない、大人になってから使える知識・技能を考慮した学習をさせていない。」なんていう批判や評価を受けて、評価基準を設定したんだと思います。

しかし、一方で「基礎基本を大事にして、学校は学習する基盤を作るところだ」なんていう声もある訳です。こうなると、何を、どれだけやったらいいか、わからなくなりそうです。

学校は、これを受けてゴールポストを動かしました。それによって、「批判すれば学校は動く」と考えた人もいると思います。すでに、学校は様々な保護者や地域のサンドバック状態になっています。いかようにでも、叩いてやろうと思えば叩けるところです。

学校も、教育目標や指導目標を出して運営していますが、Aを出して批判されそうだし、Bを出しても批判されそうだ、ならば、(A+B)÷2にしたら無難だろうと考えます。

こうして、これでいきます!と主張できない学校は均質化され、曖昧で、どうとでもとれるものしか出せなくなっていきます。