担任の先生より

897)特別支援学校 手つなぎ歩行の理由と価値

昨日、一人で校内を移動していい児童生徒について、どんな条件が必要か考えました。どこかの本からの引用ではないし、不十分な面もあるかと思います。その点についてはご容赦ください。

今日は、その続きとして考えた、手つなぎの理由について考えます。よく教員が一対一の状況で、または列の先頭で手つなぎをしているのを目にします。なぜ、手をつないで歩いているのでしょう?

【校内を歩くということ】
多くの学校では、校舎内は右側通行で、それぞれ左右で行き交う状態を作ることによって、接触事故を少なくする配慮をしています。廊下はフラット(平ら)で、階段も含めて手すりがついています。車いすを利用する児童生徒がいるならばスロープを設置し、人だけでなく会議室の机や椅子を運搬するためにエレベーターがついていたりします。

多くの児童生徒は教員の介助または見守りや誘導されるなかで移動や活動をしており、公共のマナーが守れない(走る、周囲を見ない、など)子どもは一部いるくらいです。(これも社会の縮図として肯定して良い?)

とにかく、校内は比較的構造がシンプルで、バリアフリー的な環境だと言え、ここで何らかの問題があるということは、一般道に出て一人で移動することは難しいと考えます。

【手をつなぐことが必要な児童生徒について】
学校では、安全か、時間通りか、教員の目が行き届いているか、主体的に活動できるか(部分的なものも含む)、学習に寄与するかが大事にされているようです。

いきなり走り出したら、安全面だけでなく、追いかけている間にその他の子どもから教員の目が離れ、授業時間に間に合わなくなり、周囲の環境に目を向けながら過ごす機会が損なわれるといえます。

手をつなぐことによって得られるメリットはたくさんあります。

・走り出したりして、接触事故や遊出が起きることを防ぐ
・教員との距離が一定になり、安全管理や情報交換がコンスタントにできる。
・視覚からの情報を安定した状態で得続けることができる。
・前後左右のバランスの乱れを抑制または調整することができる。
・転倒を防止する。
・歩行する行程を安定的に移動する。
・歩く速さやリズムを共有できる。
・心理的な安定感
・支点を作り、姿勢を安定させる。
・姿勢保持の難しさをフォローする。

反対に、手をつなぐことのデメリットは、上記のことを自分で達成する、どのように安定的に移動するか気づくことができる、などの機会を損ねるだけでなく、手をつないでもらえば楽で、お任せすれば目的地に到着するといった依存性を増幅させることだと思います。

【学級経営等の理由】
小集団をまとめるとき、おそらく先生は一番安全面に課題があり、リスクが高そうな子と手をつないだりして、想定される事故などを防ごうとします。

次に教員(と手をつないでもらう子ども)が先頭になって、どこを見ながら歩いたらいいか知らせます。

もし先頭が蛇行すると、後ろに続いている人は不安を感じたり、目標物として信頼性の欠けるものとして認識したりします。手がかりや目印を安定的に提供することは学級経営を考えるうえで重要だと思います。

また、授業で必要な物品を運ぶとき、荷物をもったまま遊出する子どもを追いかけるのは大変になるので、あらかじめ手をつないでおくことがあります。

これらをもとに考えると、学校における歩行を含んだ移動の取り組みは、学校生活を送るための手段として行われることが多く、指導目標となるのは一部に過ぎないように思われます。

しかし、私としては移動や歩行も学校生活だけでなく、将来の生活に影響を与えるものなので、試行錯誤も検証もなく、漠然と手をつなぎ続けているようなことがないよう心掛けています。