先回は、毎学期やってくる個別指導計画の作成について、業務分担すること、まず書式などを確認すること、ペース配分と意図して児童生徒を観察すること、について書きました。
【すぐ書かない】
まずは、成功例を取り入れます。0から考えません。
各教科などについて、国語ならどこをおさえたらいいか分かると思います。算数も分かると思います。
では、日常生活の指導や生活、総合的な学習の時間は、それぞれどんなことを書くのでしょう?
えーっと、あのエピソードは、何に属することなんだろうと思った瞬間、無駄な時間が過ぎていきます。
知っていればササっと書けます、マニュアルや手引きを見れば書けます。
それでもピンとこない人は諦めましょう。気の毒なことに、あなたは教育課程の細かいおさえを理解できていません。しかし、締め切りまでに個別指導計画を書ききらなければならない人です。
そんな人は、前年度に書いた個別指導計画(とりあえず誰でもいい)、もしできれば同じ教育課程の学級にいる、その子と似た子の個別指導計画を見て、コピペ(または転記)してしまいましょう。そこには、文字数いないにどうおさめるか、どんなポイントを表記すればいいか、似た子が取り組んだ指導のツボが詰まっています。
かく言う私も、文字数の管理が面倒くさいので、とりあえずコピペすることが多いです。しかし、これははっきり書いておかなければと考えるところは一から書いて、その後に編集しておさめます。
教科ごとに指導しやすいもの(生活能力の向上、学力向上、生活経験を積むなど)は異なります。この点をふまえずに書くと、どれも全力投球で実施困難な計画が山のように蓄積されることになります。こんなに風呂敷広げて、オチはどうするの?保護者にどう説明するの?と思います。
【書く順番】
絶対こう!ではないですが、書きやすいところから書くと、書きやすく、自分がよく把握できていて、成果がでているところを一押しで出してしまいます。そうなると、後には書きにくく、言語化できるほど理解できておらず、どうなるのか見通しがたちにくいものが残ってしまいます。
それを乗り越えるのも修行なのですが、全力を出し切らず、イーブンペースで要点をおさえるために、上から順番に書いていく、が正解ではと思います。とにかく書いて、全体を見回して、「いや、自分はこんな情報も把握していて、取り組む準備がある」というのがもれていたら、どこに押し込むか考えます。
【内容】
内容は、具体的にと言われることがあるかもしれませんが、物や課題や目標については曖昧さを残し、他に転換できそうな言葉を選びます。できると思ってやってみたら、意外なところでブレーキがかかったら、その時点でやりますと主張したことがポシャってしまいます。
これは、やったらできる!と確信に近いものがあったら、堂々と書く。
部分的にできるところは、「できる部分を確実にする」でひとつ、難しいけれど段階的に踏み込めそうなら「(意欲も含めて)取り組む」、「教員と一緒に~する」と、結果をふまえて指導を改善や工夫します、段階づけをして突き詰めていきます。
これはできないだろーと思ったら、「とにかく一緒に取り組んでみて、検証します」、「生活経験の蓄積や範化」を意識して書きます。額面通りに、到底できないであろうことを、直球で取り組んだらロクなことになりません。「引っ込みがつかない」、「(無理して)事故になる」、「妄想に近い指導目標を毎年言い続けることになる」、なんてことが起こります。
そんなこんなで、一人分書けば、ゴールは近いです。
次に書く子のものについては、自分が書いたものをコピペして、次の子なりにアレンジします。こうすることで、同じ空間にいて、見た感じは同じように指導しているけれど、実は狙っていることは少し違うんですよ、が文字として残ることになります。