担任の先生より

946)特別支援学校 応援たのむ

いくら子どもが多種多様で粒ぞろいでも、いくら教員がお休みしてしまっても、途中で辞めてしまう人がいたとしても、応援教員なしでできる!非常勤の先生が入ってくれれば何とかなる!という学年がありました。

そうして新年度、しゃかりきに頑張る先生を残して、普通よりちょっと毛が生えたくらいの仕事ができる先生は、その他の学年の中堅どころとして去っていきました。

もちろん、学級には教員定数があるので、人が抜けたらその分補充されます。言われたことはやりますよ先生が数人と、オラの仕事のスタイルはこれだ!という少しアクの強い先生がやってきました。

【マンパワーを数値化してみた】
本来、人を数字で表現するのは良くないと思うのですが、こういうものだと知るには一番の方法と思ってしまったので、考えて書いてみます。

旧: 100 100 30 80 60 80 70 (平均74くらい)

新: 100 100 80 60 30 40 60 (平均67くらい)

大学の成績だと、74は「良」で、67は「可」ということで、それなりに許容範囲だと思います。

ここだけ見れば、1人欠けても、2人欠けても、なんとかなるなら、これくらいでもいけるでしょう、という計算だったのではないでしょうか。

【学級経営にはめてみる】
資産のバラつきを見るとき、平均でなく中央値で見たほうが現実的です。平均値を見ると、どうしてもお金持ちの人にひっぱられて、数値が高くなる傾向があります。

今回もそれをやってみましょう。

旧:80

新:60

どうでしょう。優と可(それもギリギリ)になりました。学級経営を考えるとき、助け合って埋めること、狭い範囲を1人で踏ん張ることはできるかもしれません。しかし、教員の層の薄さが顕著になると、何部屋かに分散された学級について、マンパワーを平均的に分散することが難しくなります。

そのため、ところどころに空いた穴を埋めきれなくなり、「応援がないと厳しい」ということになったんだと思います。

【何が言いたいかというと】
教員定数はあくまで子どもの数によってはじき出されるので、学年によって子どもの実態の多様さ、重さ、性別のバラつきによって大きく左右されます。

どこも大変だから、頑張ればなんとかなる、と必要以上に耐える指導をすることは、構成員の負荷が上がり、余裕がなくなり、目が行き届かなくなり、教材研究時間がとれなくなり、トイレにも行けなくなる、という状況を容認することになります。

できていると虚勢を張らない無理すればやりとげられる、はよろしくない。

誰でもできることを増やすこと、誰かが抜けても過剰な緊張感がでないよう調整すること、構成員がのびのびと自分の指導観が発揮できる人間関係を築くことによって、安定的な指導体制が維持できる可能性が増す、と思われます。