担任の先生より OT・PT・ST

958)特別支援学校 研究授業観察

今日、校内で実施される研究授業の参観と、STとして参加する、ダブル研究授業になりました。

これまで、授業や校内での生活についてコンサルテーションを行う作業療法士や理学療法士等の方に対して、「こうあって欲しい」、「これはしないで欲しい」、「これを言って欲しい」などと言いたい放題でした。

ではアナタは教員として、どう支援や助言・指導をするのか?」という特大ブーメランを、自ら食らうことになったと自覚しています。立場が違い、期待される視点は微妙に違えども、いかに授業の実施者に「やって良かった」、「聞いて良かった」と思ってもらえるにはどうしたらいいか、考えました。

【単元や授業の目標に注目する】
個々の子どもに対してどうするか、集団の特性を捉えて何をするか、年間指導計画をもとに何を題材にするか、これらは実施する人によって解釈や内容は様々です。これがいい、こうしたらもっといいと言い始めたらキリがなく、授業者(MT)の考え方や児童生徒観、こうあって欲しいという期待や希望を踏みにじることにもなりかねません。

その点、指導目標を把握しておけば、目標と内容が合っているか、子どもにとって指導目標や指導内容が妥当なのか共有しやすくなり、論点が大幅にずれません。ということで、何はともあれ指導目標に目を通しました。

【児童生徒の実態】
指導案の中には、児童生徒について、どんな子どもがいるか大まかに記載されています。「名前を呼ばれて挙手できる」、「はいと言える」、「選択して、所定の場所に貼ることができる」などです。これらの情報を見て、おおよそどれくらいのことができるんだろうか?実際の子どもを見て、書いてあることが妥当なのか?と参考にしていきます。

【指導内容】
「導入」では、はじめの挨拶や授業説明などが行われます。「展開」という項目では、何をするか箇条書きで示されます。指導案は、研究授業をする数日前に配られることもあれば、当日授業が行われる教室の前に印刷されて置かれていることもあります。この違いは指導案の読み込む量や深さに多少影響しますが、上記のようなポイントがおさえられていれば、それほど問題なく参観することがあります。

【参観開始】
集団の後方に座り、授業の様子を見ています。そりゃ、いつもいない人がいれば気になるものです。きょろきょろする子もいれば、普段見られない緊張感をもつ子どももいます。先生も見られていることを意識してか、緊張している様子でした。「研究授業は普段通りでない」ことを前提に、参観する人は表面に見えない授業の意味や価値を問うことをしなければと思いました。

授業は、先生のリードに応じて、場が荒れることなく、スムーズにすすみました。それなりに人間関係もできていのでしょうし、授業も何度かやってきたのか、説明を長々しなくてもできています。そこはまず授業をするうえで大事なポイントだと思います。

一時間の授業をやりとげたのも1つの成果で、そこは良いと思いました。ただ、指導目標と児童生徒の実態にてらして、指導方法を工夫する余地がある、指導目標を子どもに合わせる(設定が高い)と思ったので、参考や提案事項としてフィードバック用の用紙に記入してお渡ししました。

用紙は、良い所、改善したほうが良いところ、みたいな分け方になっていましたが、記入するにあたって、自分が授業をするならどうするか、自分ならどう考えるか、授業をやってみてどんな感想をもつだろうか、と客観性のある意見を述べつつも、授業者の視点ももって取り入れられる事柄や範囲はどれくらいか考えて意見を出しました。

【最後に】
授業者に意見を出すことは難しいと感じます。自分の価値観をもとに、言いたいことを言うのは簡単ですが、言われた後ことを考えるとき、授業者の力量や指導観などを考慮します。ポイントを絞って、効果的な働きかけができれば、授業者としても楽だし、面白みを感じられるだろう、そのために何を伝えるか、です。

特に何もしていませんが、頭を使った一日でした。