教員が新しい学校、学部、学年に慣れるのに、どれくらいかかるでしょうか?
慣れるって、よく考えてみれば難しいもので、何をもって慣れたと言えるのでしょう?
意味は、経験を重ねて、こういうものだとすんなり対応や行動できるようになった状態だと思うのです。
たぶん、これはそういうものだと「分かる」では不十分なのでしょう。学校で慣れるということは、分かることだけでなく、子どもの学校生活をあてはめて、運用してどうなるか見通しがもてるところまでいかないと、「慣れた」とはいえないと思います。
【慣れたかどうか】
経験上のことなので、こうですとはいいにくいのですが、学校で慣れるためには1年を過ごしてからでないと「慣れた」とはいえないのでは、と思います。なぜなら、入学や進級してきてすぐは通常の授業にならないので、その曖昧な時間をどのように過ごすか、その学校の図工(美術)はどこで、どのようにするのか。授業ごとにどの教室を使うのか、行事はどの場所で、どんな段取りで進むのか…?
一年たてば、見通しがもてて、担当する学級がかわっても、流れをふまえて学級をどのように進めていくか分かってくるのではないでしょうか。
このほかにも、いくつかの環境の変化や学習の結果や成果によって、もっている学級の子どもはどのようにまとめるか、移動させるか、座らせるか、活躍させるか分かってくれば、「学級の子どもの実態が分り、集団としてどのようにまとめるか見えてきた」といえ、これも慣れたと言えるかもしれません。
【いつくらいか】
子どもの人数、実態、障害の多様性、教員の知識・経験・体調、教員の現認校での経験によって、その年の学級経営のために必要な「慣れ」にかかる時間は異なります。
私がどうだったかといえば、その学校の状況が分かり、試行錯誤できるような教員の人間関係が満たされていれば、3ヶ月で把握できたと思えました。しかし、いろいろと課題があって、なかなかまとまらないときもあり、そんなときは9月~10月くらいまでかかりました。
何が起こっているか把握し、仮説を立て、検証し、情報が整理され、運用に生かすまでは日々試行錯誤することになります。1つひとつについて、あぁ、これは以前みた〇〇さんと同じだ、以前やった△△とは逆のパターンだ、この状態は整形外科の授業でやった◎◎だ、などのように知識と経験があれば、頭のなかがまとまるのが早くなる気がします。
とにかく知識つけて、仮説をたくさん立てられて、取捨選択できる引き出しをもつことが大事です。慣れないうちは、見えている事象が何に由来するものか、さっぱり分からないこともあります。そんなとき、専門家をうまく活用できればいいのかなと思うのですが…追い込まれたときは答えを聞いていいと思います。が、自分の能力を高めたければ、自分で必死こいて考えるか、専門家や同僚と話して頭を整理していく、が絶対に必要だと思います。
【オチ】
1年生は、事前情報が少なくて大変だということをよく聞きますが、1年生を何回かやってみて、ずっと大変という訳ではありません。夏休みのちょっと前、または夏休みを過ぎて少ししたくらいで、ある程度の型ができあがっていると思います。