特別支援学校にも、部活動は存在します(すべての学校に設置されているとは言いませんが)。
通常学校の部活動のイメージに近いものなら、知的障害の特別支援学校の高等部にありますし、社会スポーツや地域スポーツの感覚に近い部活動もあります。
ちょっと違うのは、品ぞろえ(文化部や運動部の種類と数)はかなり少ないです。なぜだろうと思いましたが、それにはいくつかの理由があると思います。
【特別支援学校の部活動の品ぞろえが少ない訳】
・指導者と、自立して参加できる児童生徒が少ない
一つの授業を行うにも、個別につく、小集団ごとにまとめて支援することが必要です。ほとんど支援を受けることなく活動できるメンバーを児童生徒から選ぶと、人数はかなり少なくなります。では、みんなができる部活を揃えたらと考えたら、そうなると、教員の数が全く足りません。
・道具がない、道具の置き場所がない
文化部にしても、運動部にしても、通常学校で使っている道具だけではまわらないことがあります。作業療法的な言い方をすると、福祉用具がいろいろ必要なんです。置き場所だけでなく、ニードが重複したとき、貸し借りや複数揃えるのをどうするといった話が必ずでてきます。
・移動手段や支援の確保が難しい
普通に授業を受けて、帰るならばスクールバスなどを使って帰ることができますが、通常の下校時間を越える、平日でない週末に学校に行くといった場合、誰かが送迎しなければなりません。学校が面倒を見てくれるなら行かせたいけど、送迎があるなら止めておきます、という保護者の方何人かおられました。
【顧問の決め方】
この学校は〇〇部の伝統校だから、指導できる教員がきてくれなきゃ困る!みたいなことは、通常校に比べてないと思います。顧問は通常校のように、「職務命令」でなく「管理職からのお願いに同意する」ことになっているみたいです。この学部の、この教科になった人は〇〇部をもつことになっている、みたい専科にくっついてくるものが多いように思います。
【支援者の集め方】
顧問一人では、とてもまわせません。なので、協力してくれる方を募ります。わずかな日当がでるとか、調整休がとれる、などの返礼(?)を出して公募します。自由に来られるときでいいんですよ、ちょっと見でもいいですよ、などであればいいのですが、事務的なものがからみ、週末の予定が入れられない、疲れていても行かなければ、みたいになってくると、ちょっとね…と思います。
【部活指導に行きたいかどうか】
この、休日まで学校とかかわりたくない、という気持ちは、日々の学校の仕事で負荷が高いときに起こります。日々の仕事に余裕があって、登校から下校以外の場面ではどんな様子なのか、活動内容が変わったらどうするか、いつもと違う大人に囲まれたらどうなるか、など評価できるポイントは満載なのは分かるのですが、そこは自分次第なところがあります。やっぱり、本当に自主的なものか、自主的という形をとりながらも実は強制、というのは、やっぱり違うと思います。