こんにちは、雑賀孫市です。
今日は、教員免許の2種免許状はイケてないか、私見も含めて書いてみます。
これについて取りあげようと思ったのは、以前、教員採用試験を受ける方から
「私、2種免許しかないから、(他の受験者と比べて)負けてますよね。」
と言われたことがあったからです。 その時は、もっともらしく言って励ましたのですが、実際に 学校現場で話を聞いているうちに、2種免許について自分の意見がもてるようになりました。
【2種免許とは、どういうもの】
普通教員免許状には、専修免許状、一種免許状、二種免許状の3種類があります。
・二種免許状:学士、短期大学士、専門士の学位のいずれかを有することを基礎資格として取得する。
・一種免許状:学士の学位を有することを基礎資格とする。
・専修免許状:修士の学位を有することを基礎資格とする。
教員資格認定試験などを除き、一般的にはこの区分の免許を教職課程で取得します。 私の小学校教員免許状は専修免許ですが、これについて実務経験は1年だけです。
それでも専修だから、エキスパートなんでしょ?と言われたら…。
全然、そんなことはありません。
【学校の中で教員免許はどう捉えられているか】
特別支援学校では、着任先が「準(じゅん)ずる課程」でない限り、 特別支援学校教員免許状をもっていたら
基礎免許が小学校の人でも中学部の先生になることはありますし、
基礎免許が中学校の人でも小学部の先生になることもあります。
特別支援学校の中で免許について特に留意されていると思われるのは、
小中高の校種と、国語や数学などの教科です。
特に「音楽、美術、体育(現場では、おんびたい、と言われる)」は行事に関係し、
実技的な要素があるため、不足ないよう配置されます。
次に留意されるのが、同じく実技系の「家庭科」かなと思います。です。
【教員採用試験では、2種免許は結果に影響するか】
平成31年度東京都公立学校教員採用候補者選考(32年度採用)における選考内容と判定基準(第一次選考・第二次選考)についてでは、下記のような図が示されていました。
ここから分かることは
・筆記の点数がとれるか
・教員としての考え方ができているか
・子どもや保護者等の前にでて仕事ができるか
・仕事をするために必要な身体等の能力は備わっているか
なので、教員免許が2種かどうかは、あくまで試験を受けるための基準であると思われます。
更に、二種免許所持の方は採用されてから一種をとってくださいね、ということが
教育職員免許法(昭和二十四年五月三十一日法律第百四十七号)(抄)の第九条の二に記載されています。
(以下、引用)
「教育職員で、その有する相当の免許状(講師については、その有する相当学校の教員の相当免許状)が二種免許状であるものは、相当の一種免許状の授与を受けるように努めなければならない。
上進制度の特例として、昭和63年の免許法改正により創設されたいわゆる12年指定制度が設けられている。
具体的には、二種免許状を有して採用された教員の一種免許状取得を促進するため、
1. 採用されてから12年目の、要修得単位数が10単位に逓減した時点で、授与権者が単位を修得する大学の課程等を指定する、
2. この指定を受け3年以内(採用後15年以内)に10単位を修得し一種免許状を取得しない場合、要修得単位数が45単位に復活する、 という制度である。12年指定制度の最初の指定者は平成13年4月からである。」 以上
ということで、採用試験では、免許を持っていて、とにかくいい人が欲しいという考えで試験が行われていると考えてよさそうです。
https://magomago1.org/forgetjapaneseteacherlicence/
前回のブログ「16)作業療法士や会社員のための教員免許状取得のススメ(特別支援学校で働きませんか?)」です。
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