2020年12月7日付の日本教育新聞のなかで、埼玉県内の高校2年生を対象とした調査結果がでていて、「高2の4%がヤングケアラー」ということで、4.1%の生徒が在宅介護を行っているとのことでした。
ケアによる生活への影響を複数回答で尋ねた結果では、「影響なし」が41.9%にとどまり、約6割に何らかの影響が出ていた結果となっていました。
【高校生による介護が与える影響】
①孤独を感じる(19.1%)
②ストレスを感じている(17.4%)
③勉強時間が十分に取れない(10.2%)
介護の影響といえば、ネガティブだけではないと思うのですが、全般的にこのような感じだったのでしょうか、気になります。
担っている内容や、かかる責任の割合、依存度などは、生徒の心理的負担感に影響するものではないかと思われます。
しかし、介護保険が始まったときは、「脱施設」、「家で暮らす」、「介護を家族の誰かに担わせるのは大変なので、介護職に委ねてレスパイト(休息)か仕事に行けるようにしよう」と言われていました。
フルタイムで支援を求めることは難しい(自費でどこまでやれるか)ので、在宅だと誰かがいなければならないことになるのはやむを得ないと思います。
そこにきて、今は共働きをしないと食べていけない、という場合もあると思われ、その結果、授業が終われば帰れるであろう高校生に白羽の矢がたつのは不思議なことではないと思います。
【私が御幼少の頃】
私は各家庭の枠組みが若干希薄な田舎にいました。
近所には属にいう「おじいちゃん」、「おばあちゃん」が家にいて、自宅に人がいないときはそこに遊びに行き、テレビを見て、お菓子をもらって、晩御飯の時間になったら帰宅する、というのをよくやっていました。
なかには、一日の大半を布団で過ごす人もいました。
私はそこにも足を運び、「何もない時間」を過ごして休んでいました。
そうして、時々喉が渇いたと言われたら、吸い口に入ったお茶を口元に運んでいました。
おむつをかえることまではしませんでしたが、老人は近所にいて、ゆっくりした時間と「死」を身近に感じたものです。
【これからの老人は厳しい環境になるかも】
老人といえども、働かないと食べていけないですし、同居を子どもに求めることは難しくなってきました。
現に同居をすると、高校生などの孫に負担をかける。そうなることが見えると、子どもに迷惑をかけたくない、と思ってしまいます。
施設に入居するのも順番待ちなどで大変か、経済的負担がかかるか、などがあるので、高校生に頼らざるを得ないケースがでてくるのでは、と思います。
いずれにしても、ヤングケアラーは社会と家庭の課題の1つではないでしょうか。
https://magomago1.org/308thewordsuggesthumanrightsviolationsornot202012/
前回は「308)「四つ這い位」と記載するのは人権侵害?」でした。
https://magomago1.org/306personalcareinthespecialeducationscool202012/
次回は、「310)特別支援学校と福祉用具の処方」です。