学校において、なぜ連携が必要かと考えるとき、様々な専門家や機関が専門性をもちより、よりきめ細やかな支援を行う、ニードを掘り起こして早期支援を行う、支援機関ごとに抱え込まない、などが利点として説明されています。
【校内連携】
教員間の連携は容易なようで結構難しいです。
児童生徒に直接関係するものなら、解決に向けて当事者意識を共有して進められますが、校務分掌など学校の枠組みに関する案件になると、途端に縦割り行政的な顔になる場合があります。
総じて言えることは、どの教員も学級担任であり、児童生徒が校内にいる間は個々に指導しており、下校すれば休憩休息に入るので声がかけにくく、速やかに仕事を片づける教員はいつまでも学校に残っていないので、つかまりません。
学習指導以外の仕事について、誰に聞いても分かるものでなく、その仕事をした経験がないと進めにくいものばかりです。なので、特定の教員をつかまえないと、解決できない、分からないことが邪魔をして先に進むことができません。
【校内にくる多職種との連携】
開かれた学校づくりが進められ、専門性の向上が言われるようになってから、外部からの専門家などが多く入るようになりました。うまく機能すれば、新しい価値観が学校を円滑に進める起爆剤になりますが、そうでなければ受け入れに労力がかかり、学校には受け入れ難い提案を持ち込み、独自の専門性を披露するだけの迷惑な存在になることがあります。学校と専門家等のどちらかが相手の事情や専門性を把握し、うまく活用できるよう工夫できるか、双方の専門性を理解してうまく橋渡しができる存在がないと「連携しました」という実績だけが残る、アリバイにしかなりません。
【校外との連携】
校外との連携は互いの領域に踏み込まず、何について連携するか明らかになっていることが多いです。
学校にとっては組織を変容させるより、目の前の課題を解決するために連携をする、または学校で行った判断が妥当であると主張するためにお墨付きを求めることもあります。
この連携は、どこが主になって行うかというと、学校が主になることが多いため、学校ができることの枠内で収まるように話が進められることが多いです。そのため、外部機関等が考える「専門的な対応」が受け入れられず、何のために連携しているのか分からないといったクエスチョンが飛び交う事態がたまに起こります。
お墨付きは、合意、同意を求めることが多く、学校の判断を覆す、よりよい提案をする機会ではないことが多いです。校外の機関と連携する際は、ある程度校内で結論が決まっており、連携の現場で組織的対応を覆す判断がされることは少ないと考えられます。
【連携はうまく行われているか】
連携が重視される要因として、先に述べたこともあると思いますが、多様化するニードに学校が応えきれなくなったこと、学校が権威を低下させたこと、学校が提案する答えがスタンダードだと言えなくなったことも理由として挙げられると思います。
連携は行われていますが、より発展的に、円滑に進む雰囲気でないのはなぜかというと、学校を構成する組織は様々なことに取り組みますが変化に弱く、極めて保守的であることが原因ではないかと思っています。
https://magomago1.org/4shoesseenatspecialneedsschoolsinjapan202105/
前回は、「4)”shoes” seen at special needs schools in Japan」でした。