村上龍の「55歳からのハローワーク」という本を読みながら、20年ほど前にしていたアルバイトのことを思い出していました。
二十歳代半ば…。
当時は結婚といえば24歳クリスマスイブまでに、などと言っていたものです。
そんな頃、私は無職で、実家で肩身の狭い思いをしながら生活していました。
地元で大型スーパーが開店するとのことで、新規のパートの募集がでたとのこと。
所持金は減る一方だったし、無為に過ごすことに疲れてきているのもありました。
アルバイトの申し込みをしました。
日配、生鮮、住居、衣服、検収などの部署のうち、希望通りに行く訳ではないという前提でしたが、どこの部署に行くか選ぶことができました。
私は、成人になった男性が地元のスーパーでバイトをしているのは恥ずかしいと思い、バックヤードで働く部署を選びました。
(当時、田舎では、正社員でない男性への差別と冷ややかな目線がハンパなかったです。)
まだ、店はできていない、なので3つほど離れた市内にある、同系列のスーパーで研修をすることになりました。
その部署の方の中に、小太りのリーダー格の男性がいて、「まぁ、頑張ってくださいよ。」と言ってくれました。
何でも、その人は仕事はできるし、経験的にも問題ないから店長クラスになれるんだけど、性格的に抑えがきかない面があるとのこと。「お客さんと言い合いになってしまって、それでここにいるんだよ。」とベテランのパートの女性がこっそり教えてくれました。
社会人のプライドって何だ?
一人前って何だ?
正直に生きることって何だ?
改めて、今の自分の状況を咀嚼しつつ、いかに生きていくべきか考えさせられました。
そうして、次にすべきことが見つからない今、目の前のことをやるしかないと思ったのです。
【高所作業】
当時、その部署ではパートのリーダー的なことをしていました。
仕事をしているうち、その店の管理職みたいな人から仕事の指示がきました。
「倉庫に入り口に鳥の巣があるでしょ、フンをして大変だから、それをとってくれないか。」
「フンで荷物が汚れると困るでしょ。」
それに対して、どこか反骨精神みたいなものがあったのか、素直にハイとは言えず、
「あれって、高所作業になりますよね。転落したりしたら、どうしますか?
私もパートという弱い立場です。もし怪我したりしたら、会社で一生面倒みてくれますか?」
管理職の男性は、「はぁ、そうですか、じゃあ考える。」と言って去っていきました。
今思えば、可愛げのない返事をしたと思いつつ、やはり立場が弱いから、ハイハイ言っていると便利に使われると思ったのです。
店側も、本当に転落事故を起こしたらどうするか、と同時に地元の人を雇用しているので、非情なことをして悪評がたつとマズいと考えたんだと思います。
この後、何日かして、脚立をもった男性チーム3~4人がやってきて、鳥の巣を除去していきました。
仕事は誠意をもってやるべきと思いつつ、どこまでやるか考えることも必要だということを学びました。
この時期、自分にとって汚点だと思うことが多いのですが、これまでの人生を考えた時、実は重要な学びが多い時期だったのかもと思います。
だれにでも、そんな時があったと思います。
みなさんのターニングポイントはどこでしたか?
https://magomago1.org/461volumeisgettingsmallerandsmallertogetajob202108/
前回は「461)特別支援学校 定年退職後の就職 やっぱり年齢制限が重いです」でした。