学校の文化 担任の先生より

479)特別支援学校 子どもの抱え込みは教員の専門性の向上を阻害する

私見なのですが、知的障害部門ではチームワークとゾーンディフェンスを学ぶことができる。
肢体不自由部門では1人ひとりを丁寧にみること、心身を合わせて考えることが学べる。

と考えています。

担任になったら、自分(教員)が在籍する児童生徒のことを把握し、日常どのように過ごしていくか、どんな指導目標をたてるか、などやることが多くて大変です。(特に経験が浅いときは)

ベテランの方にもいるのですが、自分の目の前のことにいっぱいになってしまって、自分の学級の子どもを抱え込んでしまうことがあります。

なかには、学級経営が上手くないのに、「私が手助けなんて必要ないわ、できますから、余計なことをしないで」という方もいらっしゃいました。結局、学級をまとめることができず、保護者からのクレームが止まず、次年度担任から外されていました。変なプライドは横に置いて、いかにうまく経営するかを大事に考えることが大切です。

話はずれましたが、抱え込むといっても、いくつかパターンがあると思われます。

【経験者の抱え込み】
すごくよくできる経験ある教員の抱え込みで考えられるのは、本当にその人しか触れることができない案件がある場合です。学年や学部内で共有しながら指導するには、難易度が高すぎるということです。当該年度の学部集団にとっては、有難い話かもしれません。しかし、その児童生徒もいつかは進学・卒業します。その先生もいつかは異動します。そんな状態で、「はい」と次年度渡される担任の先生は地獄です。とにかく噂が先走り、十分な情報がないまま迎える新学期。いくら上手くその場を仕切れても、子どもの先を考えるなら、次につなげる指導を考えるべきです。
(このケースも、その担任の先生が大変な児童生徒、または保護者だからと勝手に思い込んでいることがあるので、注意が必要です。)

他にあるのは、他の教員との対話を避け、自分のことだけしていればよいと悟りを開いてしまった教員でしょう。中途半端に先輩であり、本当に自分の学級のことをしっかりやっていると、誰も口出しできません。全体に不都合がでてくるようなら、管理職等に相談して対応策を練ってもらいましょう。現場で解決しようとすると、根に持たれてとんでもない副作用がでることがあります。

【経験浅い教員の場合】
まずデメリットを挙げてみます。

①自分の指導しか見えないので、多方向から子どもや集団を見る機会が損なわれる。

②集団の中で自分の学級の子どもをどう位置付け、育てるか、考える機会を損なう。

③自分以外の人に学級のことを説明したり、検討したりする機会が減るので次年度や卒後に向けてのひきつぎの内容が乏しくなる。

では、経験が浅いと必ずオープンマインドでやらなければいけないか?ですが、そうとも限りません。

同じ学年の教員の中に、言葉や行動が乱暴な教員がいるので一緒になるとまずい、逐一干渉して学級の輪を乱す教員がいる、大集団の指導を丸投げしてきて協力しない教員がいる、などのときは慎重に事をすすめる必要があります。

問題を抱え込んだまま回避し続けると、「協力的でない」、「協調性がない」、「先輩が心配しているのに、耳を貸さない」などと吹聴されると立場が悪くなります。そうならないために、利害関係の薄い教員に相談するか、管理職に意見を求めるか、などして自分と自分の学級を守る必要があります。


https://magomago1.org/478ismanpowervolumeonlyinthespecialeducationslass202109/
前回は、「478)特別支援学校 教員指導体制、頭数だけ揃えばOK?」でした。