学校の文化 担任の先生より

514)特別支援学校 保護者からのクレーム

「モンスターペアレンツ」

理不尽な要求をつきつける保護者、みたいな意味だったと思いますが、これは教員が感じる理不尽さであって、保護者からするとどうなのか?と考えています。それによって学校としてできませんと論陣を張って対応するか、そこは飲んであげたほうがいいか、考え、判断しています。

近年、特別支援学校は保護者の思いを受け止める、合理的配慮を意識する、教育的ニーズを把握して対応する、など「学校としてする仕事はこれだ」と言うのではなく、保護者の不満がでないよう言われたら聞く、が多すぎると思っています。

【教員(私)から、何が理不尽と感じるか】
私が理不尽だと感じるのは、やはり学級運営に関する枠組みを自己都合で壊しにくるもの、その子だけでない子の支援や学習の機会を平気で奪いにくる注文です。あと、余計な負荷を引き継がせることで、次年度の担任の先生に変な仕事を渡さなければならない罪悪感もあります。

物品や衣服などにかかわる、他人からすると「どうでもいいこと」を事細かに要求されるとガッカリします。これは指導上必要なことでないし、これに神経を使うと、すべきことに注意や労力を使えなくなるじゃないかと思うのです。とにかく過度な要求は「その子への特別な配慮」として認識されますから、知らない人は指導に入れない(間違うとクレームになる)、逐一フォローや確認作業に追われる負担感もあり、担任に多くを抱え込ませることになってしまいます。

また、嫌なのは他の子どもにかける支援を削ることです。言われた内容の是非もありますが、保護者との関係を重視するあまり、他の子どもが後回しになることが増えます。

【どうなったらいいか】
一番大事なのは、学校は何をするところで、何が許容範囲で、どんなことは受け付けないか明確にすることです。ニーズにこたえる、保護者の気持ちに寄り添うなどは感情の問題です。聞き始めたらキリがなく、保護者によってはエスカレートします。

学校として、どこまで許容されるのか管理職等に確認をとることです。話がこじれる、理不尽な要求が積み重なる、などが増えてから対応する、というのは遅いと思います。初期に一貫性のある基準を提示しておくことが、今と将来の学校の支援体制を守ることにつながります。