研究授業を観させて頂きました。
教育実習生の研究授業で実現して欲しいことは何だろう…?と思っていました。その答えは人によって違うし、その人の価値観の変化で変わります。それだけ、「いい授業」という決定的な答えはないということでしょう。が、それを言ってしまうと示しがつかないし、自分を乗り越える後進の足場にはならないと思いました。
【教育実習生に経験して欲しい授業】
とにかく子どもの前で授業をした、話をした、それだけで価値があるものと思います。しかし、頑張った、授業をとにかくやった、ということで終わったら勿体ないと思いました。
この先、人前で何かを示すこと、教える機会があるでしょう。その時に、教育実習の研究授業でやった自分を基準として、それより良いものを作ろうとする、「基準」を作って終わって欲しいなと思いました。
①1時間におさまる内容をパッケージにして並べよう。
あいさつをして始まり、あいさつをして終わると思いますが、その間に何をどれだけ入れるか考えます。いろいろな種類をやったら、やっただけ力がつきそうなら5種類でも、6種類でも詰め込んでやってもしいし、じっくり理解できるように取り組むなら2つでもいいと思います。実習生さんには、授業をしているうちに、どこまでやったか教員も子どもも分かるように、ボードを使って予定を作ったほうが落ち着くよ、と事前に伝えておきました。作った予定ボードは子どもが読めない文字のみでしたが、何をするか事前に決め、どこまで進んでいるか分かり、次に何をするか迷わないためのツールとして、有効だったのではと思います。
教材は、子どものため、教員のためになるものが良いと思います。
②どこを中心に授業が動くか。やたらと動かさない。
何もやっていなくても、メインになる教員、または情報の集積地である黒板(ホワイトボード?)はやたら動かすものでない、ということです。授業が展開していくなかで、どこに注意するか、どこで視点を動かすか分からなければ、学習そのものが落ち着かない環境で展開されることになります。「今、見る所はここです!ここから、視点をうつして、次に見るのはここです!」ということで、授業の核になる場所や範囲はどこなのか、意識して決めておくことが大事だと思いました。
③実態をとらえて、どうやればパフォーマンスがいいか、見つける。
肢体不自由の子どもの場合、腕を曲げて手をひきこんでしまう、ゆっくり腕を動かさずに瞬発力を発揮してしまう、など特徴があると思います。どこに教材を提示するか、どう教材に触れるか、何を教材として採用するか、どこを支援(介助)すればいいか、です。いくつか試して、これという答えにたどり着くことは難しいですが、「どこがいいか、何がいいか、何回練習したらいいか」考えながら、自分なりの答えに近づいていくことはすごくいいことだと思います。
【指導・助言することで得られるもの】
研究授業の前に、やっておくといい準備について、いくつか提案しました。伝えるということは、相手の力量に応じて分かる言葉を選べる事が大事です。課題となることが予見できなければなりません。なので、伝えるために頭を使って考えます。普段、日常に流されていると思ったら、自分の取り組みや大事にしていることを、誰かに伝えてみましょう。きっと、自分で「あれ?そうなんだ」と思うことに出会えると思います。