職員室でデスクワークをしていて、教室での出来事が耳に入ってきました。
それは、「私が、その子の異変に気付いて、適切に対応したからよかった」という内容です。
呼吸や転倒リスクなど、ちょっとおかしいと感じて対応したことがヒットだったというもので、どこの職場でも似たようなエピソードはあると思います。
【よくよく聞いてみると】
その先生が気づいたサインや兆候は「表情がすぐれなかった」、「いつもと動きが違う」など具体的でない、曖昧なものでした。
リスクに対応できたのはいいのですが、問題はその前後にあります。
「そのマズい状況は予見できるものだったか」
「気づいたサインは、誰もがそれだと分かるものか」
これがないと、よく分からないけれど、その子についたらリスク回避のために気づいてくださいね、がセットになってきます。
その子につくということは、難しい対応があるけど、できるよね?が暗黙の了解となるのです。
集団での指導を行ううえで、基本的な対応は複数の人が分かることが大事です。見られた兆候が示すものは何か、基礎疾患等に由来するものか、環境要因で誘発されるものか、などの視点で検証しておくと、いざというときの対応がしやすいといえるでしょう。
【検証してみると】
子どもの状態が変化するときのサインについて、ツボだったと周知されていたことが、実は全くの別物で、他のところに原因があったというのが、たまに見られます。 仮説をつきつめて検証する、原因と思われるものを整理して把握する、これらをやっておかないと、その子とかかわれる人の数が確実に減ります。人間関係の広がりが少ないと、それだけ多くの人から得られる学びの機会も減ります。
健康や安全にかかわるリスクは少ないほうがいい、しかし、多くても情報が整理できていれば、相応の対策を練ることができるので、支援者の不安は減少すると思います。