「あ、いたっ」
子どもが教職員に向かってパンチを繰り出す、髪の毛をひっぱる、などはたまにあることです。
そんなとき、どう考えますか?
①良いこと、悪いことをきちんと指導すべきだ。
②まだ、善悪の判断がついていないかも。
③何かを訴えているアピールで、耳を傾けるべき。
④大人とのふれあいを求めているんだ。
今、学校の中で多く見られる価値観は③と④です。
なので、子どもが手をあげても、指導しないことがたまにあります。
子どもの下校後、子どもの気持ちを受け止めることが大事、信頼関係が築けている、と職員室で言っていたのをよく聞きました。
教職員は「注意されても、自分のやったこととの因果関係が分からないので、何を言われているか分からないから、強く指導するのは良くない。」、「何か伝えたいことがあるんだから、それをきちんと受け止めてあげることが大事。」と流しつつ、両手をつかんで、「この手で顔なんかを叩かれたら痛いでしょ。」などと話しています。
これで、感情に任せて子どもを強く指導せず、分かりやすい言葉を使って指導した、が成立します。
(相手の立場にたって考えるのって、結構高度だと思いますが…。)
【IQ70くらい】
知的障害を主とする特別支援学校に在籍する児童生徒は、肢体不自由特別支援学校に在籍する生徒と比べて障害像が比較的シンプルです。なので、教職員のからの刺激に対する反応が分かりやすいです。
大人の寛容な受けとめと指導によって、子どもはどのように感じるでしょう?
大人が自分が手を出すことで反応するから、楽しい。やらかした後、大人が何か言ってくる。叩けばかまってくれるんだ。なんだかつまんないから、先生を叩いて、こっちを向いてもらおう。先生たちが「もー、〇〇君ったらー。」と言っている。叩けば喜ぶんだ。
こうして、叩くことが強化されていきます。
子どもの訴えなんだ、はそうかもしれませんが、ではその手段が大人になっても有効なものだと言えるでしょうか?いずれ分かるようになるなんて、そんな保証はどこにあるのでしょうか?
【どうするか】
よくやっているのは無視です。
叩かれても、不適切な行動の強化になるので反応しません。
不適切な行動でない方法はないか考えて提案していきます。
ダメなものは、ダメ
毅然とした態度で、指導します。長々と説明する、感情あふれるリアクションを返す、は不適切です。
端的で、一貫性のある態度で、やったことに対して「それは良くないことだ」と素早く、強いフィードバックをすることが大事だと思います。