担任の先生より

557)特別支援学校 摂食指導の落としどころ

先日、摂食時の行動に課題があるので見てみよう、ということになりました。

同じ学年の子どもなので自分がやってしまってもいいのですが、直接の担任ではないですし、複数の目で見た方がいろいろ検討できるだろうということで、関連する部署の教員をまきこむことにしました。

【子どもの実態】
歩行可能、肥満傾向。

摂食時の口唇閉鎖不全、水分摂取時はコップを使い、飲み込む時に首を反らせて流し込む行動が身に付いている。食べ物を置くと、どんどん口の中に詰め込むため、一口で処理できる分を皿に置き、食べ終わったら追加する指導を行っている。

【確かめること】
飲み物はコップで飲んでいて、コップを口につけたら上を向いて流し込んでいる状態です。

これを見て、いくつか疑問点がでてきました。これを確かめることが評価(アセスメント)であり、より本児童生徒を知ることにつながり、この後どのような指導をするかの道標になります。

・すすりこみはできるのか。
・頭を手でおさえることで頸部の伸展をおさえていたが、その指導は何につながるか
・給食を食べることが目標か、卒後の生活でストロー以外のコップで飲むことも視野に入れて環境設定や指導をしていくのか。
・連続飲みはできるのか。
・進級や進学後も継続できる支援内容が構築できるか(特別なものは継続されない)。
・コップ以外の飲み方を試したか。
・ストローは使えるか(口唇でストローをおさえる、口をすぼめる、吸気を使える、など)
・目標をどこに置くか。

いろいろすることはありそうです。

【やったこと】
ストロー飲みをやってみましたが、口唇の中央か、側方か、ストローが扱いやすいところを探しているようでした。ガジガジ噛むこともありますが、吸って飲むことは理解できているようでした。ストローはやってみる価値ありですが、水分全般をストローで、というのはないと思います。

平ための皿を使って、盃のようにすするのもやりました。ズゾゾっと飲んでいたので、できるのでしょうけども、小皿に注ぐことを逐一やるのもちょっと…。

とりあえず、給食はストローを使うけれども、際限なく飲むのではなく10数えたら口から離すことを試そうと思います。コップのみは課題が多いですが、給食を食べている間は使うことはありません。しかし、将来使うであろうコップ飲みについて、早いうちから経験と学習を積み重ねて誤学習を軌道修正させていきたい、と担任の先生がいい始めたら、それにのろうと思います。

専門家の打ち立てた目標は、現場の担任や教員がのってこないと絵に描いた餅になるので、どんな目標に向かって、いつ、どのようにするかは担任が決めるべきです。私がしたことは、指導の可能性と、想定できることを担任の先生に伝えただけ、です。