学校の文化 担任の先生より OT・PT・ST

578)特別支援学校 外部の人が教室に入る時のマナー

以前、授業見学や、授業観察のマナーについて書いたことがあると思います。
先日、授業観察について気になったことがありました。

【曖昧な予告】
その日、「専門家が〇〇さんを見に来ます」みたいなことを、朝の打ち合わせで聞いたような気がしました。〇〇さんは私が担任する子どもでもないし、見に来るだけなら授業にも影響ないだろう、とほぼスルーしていました。

【教室に入ってきた見知らぬ人】
名札をつけた人が教室に入ってきました。名札があるということは、不審者扱いではないです。
しかし、面識はないし、挨拶はないし、結構距離が近いので「だれ?」と思っていました。
この時点では、朝の打ち合わせの人と、実体が合致しておらず、戸惑いがありました。

おそらく、その人にとっては「私は仕事で来ているし、事前に話があっただろう。」、「子どもを観察するのだから、近くで触れて、感じて、情報を拾いたい」だったと思います。私としては、次の授業のMTで、実際に会うのは初めてなので、授業が始まる前に声をかけて欲しかったです。専門家の職種や目的が分かれば、それをふまえてどこで観察するか指定することができたでしょう。

【話し始めた】
誰なんだ?と思いつつ、時間がきたので授業を始めることにしました。
その人は、授業をしている空間の後ろの方にいて、椅子に座ってみています。

「何をしにきている人なんだろう?」

ちょっと気になりましたが、気にしないようにしました。
授業が進むなか、ある先生がその専門家に話しかけ、子どもの状態はどうなのかと話し始めました。授業のときは、授業に集中できる環境を、とは言いながら、実際は教員など大人同士で話すこともあるので、余程でない限り指摘しません。話の内容から、感覚器のことを話していたので、「その系の人か…」と思いました。

専門家とST(サブティーチャー)とのお喋りはとまらず、場面が変わっても続けようとしたので、お話を止めてもらうようお願いしました。

専門家が教室にくる目的は「観察」「支援」、「助言・指導」があるので、求められたら答えなければと考えるでしょうし、期待に応えたいと思うでしょう。しかし、そこはMT(メインティーチャー)が仕切る授業の場です。授業の邪魔やペースを乱すことは許されません。この場で観察のマナーに関する説明は不要、後ろに下がって頂きました。

【事後】
以前、医療系の専門家が教室に入ってくると、先輩方は学校の雰囲気を壊されることを極端に嫌い、体よくあしらう、後で陰口を言う、などをしていたものです。

今回は、学校の教室に入る時の基本的な振る舞い方を伝えていないことが問題だったと踏んで、担当部署に何があって、今後に向けてこういうことが必要だと伝えて終わりました。専門家は与えられた場で自分の専門性を発揮し、成果をあげることが求められると自覚しているでしょう。しかし、学校は自分がデザインできる場所でなく、違う職種の人が多く存在する「自分ではコントロールできない環境」です。そこでどうすればいいかは聞かなければ分からないことなので、専門家を活用するときはお任せにせずに、「HOW」についても確認しておく必要があると改めて確認できました。