学校の文化 担任の先生より

675)特別支援学校 子どもを育てる環境の変化(主観多し)

今、子どもをもつ大多数の保護者がもっているニーズは何か。

少子高齢化する社会で、子どもを育てやすくするためにはどうすればいいか

【子どもと外界との関係(例)】
乳幼児の頃は、子どもも生きること、大きくなること、健康でいることが仕事なので、保護者やその親族、保育所、検診や予防接種だけでなく子育て支援にかかわる市町村などにかかわることが多いと思います。

幼児になると、幼稚園や保育園を考えるようになり、保護者以外の大人との関係、自宅から離れる経験、子ども同士の人間関係によって心や体が育っていきます。子どもは身の回りをみながら、様々な刺激を受けていきます。

この頃は、家庭以外で過ごす時間は限定的で、家庭によって様々ですが、だいたい4~5時間くらいでしょうか。

小学生になると、家庭ではないところに所属したり、時間を過ごしたりすることが増えます。起きると小学校に行き、3時くらいまで過ごし、習い事で過ごす時間が増えてきます。幼稚園などで多かった親子同士の付き合いは、それぞれの家族の予定の合間をみて行うので、だんだん限定的になっていきます。子どもがどこかに所属したり、自立して動けるようになるにつれ、保護者は仕事などに目がいくようになります。日々の生活コストだけでなく、子どもの進学や習い事などを考えると、お金への不安は切実です。

中学生になると、多くの子どもはいつまでも保護者べったりでなくなります。保護者は子どもが自由に行動するあまり、間違いが起きないか、事故やトラブルに巻き込まれないかと心配になります。なので、なんとか子どもを守る仕組みが欲しいと考えます。

【子育て対応】
子どもについて、始めは保護者(またはそれを代行する存在)など身近な人が養育しますが、だんだん保護者が信頼できる存在に子どもを委ねていくことが多くなっていくと思います。

保護者は保護者の顔だけでなく、個人としての顔をもち、個人でいるときは目的に応じた時間の使い方をするため、近所同士などのもちつもたれつの関係より、依頼できる相手を選ぶのではないでしょうか。選んだけれど、責任を投げた訳でないので、保護者と同等または保護者ではできないことを求めるようになります。

何が必要か分からない、何がいいか分からない先行き不透明ななか、競争に負けないように子どもを育てたい。そんな焦りと不安が、思うように行き届かない学校への不満につながっている、のではなかろうかと思いました。

規格化された建売は手ごろで無難、でも、より個別最適を求めたければ「基本、手作り」だと思うのです。手作りなら個々にできる範囲で、無理なく、無茶なく、良いものをと考えるでしょう。自分でつくったものなら責任は自分でとりますし、方針も自分で決めるでしょう。そう考えると、現代学校に集中する不満や様々なタスクの正体は、不安と依存じゃないかと思えてなりません。