書類を作成して印刷したものを見返したとき、「あれ、ちょっと間違ってる」と思った時、再び印刷するか、訂正印を押して提出するかになると思います。
自分が知る限り、学校では一旦提出してしまったものを訂正するとき、二重線を引いて訂正印を押すか、二重線で消して新たに正しいものを書き直しました。そうして、訂正印用の小さいハンコはダメだと言われ、文字を大幅に隠してしまうけれど、通常のハンコで訂正印としていました。
ハンコ社会からの脱却と言いながら、研究授業の学習指導案、年休の申請、公文書の氏名にかかるように押す印、給食費の返金処理など、様々なところで印鑑が使われます。場合によってはスタンプ式の印鑑はダメと言われるので、印鑑(安めでも可)と、朱肉はデスクに常備しておいたほうがいいです。
あと、押した後に刻印部分を拭きとるティッシュを準備し、印鑑を置いてあるところの座布団にしておけば目立つので紛失のリスクも少なくなります。
【訂正印】
金融関係でも、実印があり、契約には印鑑が使われることから、ハンコはいまだに重要な位置づけになっています。学校では、作成した文書をとにかく作成して、物事をすすめるために訂正印でも再印刷でも、「どうしたらできるか」考えて対応してしまうのですが、学校外でも同じ調子でやると、ひどい目に合うので覚えておいたほうがいいと思います。
例えば、借金の保証人になるなと言われますが、どの書類が保証人に該当する意味をもつか、あまり分からないまま、いつの間にか保証人になっている場合があります。口頭での合意がなくても、書類上合意したものを作成してしまうと、法的な効力が発生するのです。
危ないのは連帯保証人になったときと、訂正印を押すときです。連帯保証人については別途調べて頂ければいいのですが、訂正印は安易に押すべきではありません。時折、捨て印を押してくださいと言われることがありますが、これもどんな文書なのかよく見て押すことをお勧めします。とにかく、訂正印を押すということは
指摘された箇所のみを訂正する、と思い込みますが、一旦押してしまうと、その上に何を付け足されても文句が言えなくなる。ということになるのです。例えば、「これに対して100万円までの責任を負う」という内容を、意図しないところで2000万円と書き換えられることもありえます。訂正印や捨て印は、「下手をすると白紙の委任状を渡してしまう可能性がある」ということです。
「教員は世間知らず」とは言われたくないですが、契約に関する意識が低いのは確かです。主体的に考えず、与えられた仕事を忠実にこなすことに慣れてしまった教員は、自分で行うことの意味を考えずに進むことがあり、「そんなつもりではなかった」、「知らなかった」、「そこまで合意していなかった」と後になって抗弁するケースがあるようです。すべてのリスクを想定して備えることは困難ですが、職場から出たら意味を考えて行動するスイッチを入れましょう。