医師・介護・看護 担任の先生より OT・PT・ST

748)特別支援学校 学校の先生の専門家についての感想

作業療法士や理学療法士、臨床心理士など、いろいろな専門家が特別支援学校に入るようになっています。

専門家が入ってどうだったか

という問いに関して、何が良かった、参考になったと意見がでるのですが、これは対外的な顔で言っていることが多い気がします。失礼な言い方になってしまいますが、「受け入れて、指導に関する意見をもらう」という仕事を適切にこなした証拠になるから、不満があっても代替案を出せなどと言われないように波風をたてない、というのもあると思います。

専門家は、子どもに寄り添うことはあっても、目の前の教員に寄り添うことができているか?これは私が前々から感じていることです。

【匿名の掲示板のように】
かつての2ちゃんねるのように、匿名で実生活に影響しないであろう書き込みには、人の本音が垣間見られるものです。同じように、身内(校内)だけで行われる年度末反省には、担任の先生の本音がでてきます。

【専門家の指導・助言に関するアンケートの回答】
「専門家の入り方について意見がありました。子ども1人抜き出してアセスメント(評価)するのはいいが、担任が付き添って、集団の授業を抜けるのはどうか。残った子どもや教員へのデメリットが大きい」

だそうです。

専門家には、その専門性を発揮し、質が高いことが求められると思いますが、普段の仕事が個別であるが故に、そのスタイルから抜けられないと、このような意見がでてきます。私が思うに、個別で子どもと教員が抜けてしまうのは確かに集団の指導にダメージになると思いますが、指導・助言が集団生活で活きること、今後の指導の展望が描けるもの、担任に共感をあたえるものであれば、ここまでクレームめいた意見はでないと思います。

個別対応で個別に特化した助言・指導、私が子どものことをよく観て評価してやった的な態度、これらが担任の先生たちの不評を買っているんだと思われます。

勿論、どんな指導であっても、新入生のいる学年のように、実態把握をするのに時間と多くの場面を要する学年には支援が必要ですが、集団の指導が滞るようでは、全体的にはマイナスです。大事なことは、個別で評価するなら、相応の満足できるものを出さなければいけないと思いますし、本当に学校生活で活用できる専門性を発揮したいなら集団と、集団の中で生活している子どもの姿を捉える技術や視点が必要で、そこに教員の指導観とすりあわせていく寛容さと根気が必要だと思います。

中央教育審議会答申で、専門家の活用が出てから、もうずいぶんの年数が経過し、少しずつ教員以外の人材が入る学校ができつつありますが、どこか噛み合っていなくて、どこかぎくしゃくしているところが抜けないなぁと思っています。