担任の先生より

770)特別支援学校 トイレでの手洗い

特別支援学校では、トイレの定時排せつを促すことがよくあります。

用をたしたら手を洗う、これがなかなか難しいのです。

まず、手を洗うという行為が抜けがちです。なぜなら、排せつをしてしまうとスッキリするし、トイレに行く最大の目的が達せられた訳ですから、「そのあと、何が必要?」となっても仕方ありません。これはとにかくルーティンに落とし込んでいくしかないでしょう。

次に、蛇口をひねるのですが、どれだけひねるのがいいか分かりにくいようです。水を出さないと、指先を濡らすだけですし、出し過ぎると周囲に水が飛び散って大変なことになります。「蛇口をどれだけまわせばいいか」、「水はどれくらい出せばいいか」明確な判断基準を示しにくいだけに、これも難しいと感じることがあります。

水を出した後、手を濡らすことが大事なのか、水にひたしてこすることが大事なのか、手についたバイキンは何回こすったらとれるのか、そこへんが分かりにくいことも見逃せません。

蛇口をしめるのも、忘れがちです。よくあるのが、水が止まる少し前まで蛇口を回すのに、あと少しのところで止まっているパターンです。

ついでにですが、トイレによって手洗いの水の出し方が違う、というのも不安と混乱を招きます。手をかざすだけで水がでるもの、レバー式のもの、一回レバーを押すと一定時間水がでるもの、蛇口をひねるものなどです。同じ目的でも手段が違う、といった学びも、このような生活の中で見られる多様な道具から学べるのかなと思いました。

【手洗いは難しい】
トイレでの手洗いは、その行為事態も難しいのですが、そこに至るまでに様々な作業を経てきているので、手洗いまでこぎつけたことを誉めるべきかもしれません。あと思い出したのが、トイレには普段触ってはいけないもの(非常時い押すボタンやひもなど)、状況によって使い分けるもの(大小の区別、蛇口のひねる程度)、ルーティンとしてやらなければならないこと(ズボンや下着の上げ下ろしなど)があるので、意外と子どもは困惑しているかもしれません。