いろんなケースがあるんですが、子どもの実態からみて、ちょっと、難しいんじゃないか?と思われるような内容を授業で取り扱いたいというニーズが若手の先生からでることがあります。
はた目からしたら、その子にとって難しいことと思われるし、そこのフォローにばかり教員をつける訳にはいかないから、考え直してもらいたいと考えるでしょう。
【初任の教員が期待すること】
初任とはいっても、新卒やどこかの企業で仕事していました、といった学校で働くのは初めてという方だけでなく、他の自治体での経験がある人、講師を何年かやっていましたという人もいます。
知的障害の子どもの特性や、肢体不自由の子どもの状態を捉えることがスムーズな方もいれば、まだ知識がなく、把握や理解するのにやたら時間がかかる方もいます。
初任の先生が期待したことは、「こんなことをやらせてみたい」、「年間指導計画に則り、これをやったらどうか」といった、前向きさとチャレンジ精神のあるものでした。
【実現可能か】
自分の考えなのですが、授業は水モノだと思っています。
自分が想定していた通りにならない。
一緒に動いている先生とのミスマッチ(力量や授業目標・方法の相違など)。
とにかくうまくいかなくて、授業中にもかかわらず、どん詰まってしまった。
できると思っていたことができない、難しいかなと思っていたことがあっさりできてしまった。
時間がかかると思っていたが、意外と早く終わってしまった。
すぐに次の展開に移れると想定していたが、思いのほか時間がかかった。
キーマンになる児童生徒が急遽欠席してしまった。
打ち合わせしていた先生が急に看護休暇をとり、代わりの先生が登場した。
使う予定だった準備室の教材が、誰かに持ち去られてしまっていた。
特別支援学校で授業をしたことがある人なら、どれか一つは経験があるはずです。その時、どのように状況を打破されたのでしょうか…?
【相談させて頂いた授業の問題点】
段階づけがない(いきなり本題)
エラーが起こったときの代替え手段がない
本題に入る前に、基本的な概念や経験したものとリンクさせる機会がない。
「やってみたけどできない、それで授業が止まってしまった」という状況が見えてしまいました。
【解決策】
授業の目標や内容を考えるにあたって、授業者がやってみたいこと、授業づくりの手順、授業計画や授業を実施する前に考えておくこと、について説明させてもらいました。
授業をやりながら、思ったとおりにいかないことはよくあります。そんなとき、経験と知識があるなら、その場で詰まってしまった原因を明らかにして、次の一手や代替え案を出していきます。これは、いろいろな授業を見て学んだ蓄積であったり、自分がやってきた場数の賜物だったりします。
その場で原因究明と方針転換をするのは、結構エネルギーが要るので、私なんかは代替え案を2~3用意しておいて、「あ、マズい」と思ったら、「次をやります」とすぐに切り替えます。
そうして、何がマズかったか、何をすればいいのか、後で落ち着いて考えます。