最近、プールの水を出しっぱなしにして、担当した先生が損害賠償を求められるという話がでていました。
他人事とは思えません。
【これまで見てきた特別支援学校のプールの設備】
プールの設備は、学校ごとで見た感じ、まったく違って別のものです。
レバーやスイッチ、消毒液を投入する所、配管などの構造や部品など、戦時中の施設かと思うくらいに古いものもありました。
水質等を管理する場所も、入水するプールに隣接しているところもあれば、フロア(階)が違うところもあります。
ただ、共通しているのは「ふだん鍵がかかっている」ということです。
日常的な仕事で使わない場所、管轄でもない場所を理解しようと、わざわざ鍵を開けて、そこを理解しようとするでしょうか。(たぶん、することはあるし、余計な仕事が降ってくるネタになるのでしないと思います)
【それは突然おとずれる】
体育設備を管理したり、使用したりすることを担当としている体育科などから、夏がくるまえに全行周知がありました。
「プールの管理について、体育科だけで実施することは難しいので、みなさんのご協力をお願いします」
このお願いしますは、「有志を募ります」ではありません。プールを実施する要綱が出され、決定され、業務を分担してすすめることが決まっているものです。そのため、各学年などから人が出されます。
多くは、体育の授業を担当している先生か、次年度異動してしまう人は避けて、とか、単純に若い先生に、とか、とにかく人が集められます。
【説明会】
ある、会議時間の枠を使って、体育科から仕事の説明会が実施されます。
鍵のあけかた
確認する箇所
補充などをするものと、その投入について
記録簿のつけ方
になります。説明している体育の先生も、設備の細かいところまで把握している訳ではありません。プール担当の引継ぎがあったとしても、「どこをどうする」が残されているだけで、とにかく水泳指導について書類を揃え、協力を得て、実施することでいっぱいなんだと思います。
【本来】
子どもの指導で、指導方法を伝えられただけで大丈夫か?というのがあると思います。
何をどこまでやっていいか?
リスクが起きやすい状況は?
事故になる前兆は?
チェックして気づいてほしいポイントはあるか
何がどうなったらマズいのか
事故が起こったときの対応はどうするか
指導の対象や機器の全容はどうなっているか
私はある程度これくらいの情報が揃わないと、不安を感じたり、怖いと感じたりします。
「水がもれていた」これを予見して対応できる予備知識がそろっていたのか?
結果論だけで「不適切」と言っていいか?
教員の仕事は、「実施する手間と時間」が仕事として認められ、それを支える準備や理解する手間が仕事として認められていないと感じることがあります。だから、仕事の数を抱えるほど時間が足りなくなり、リスクが増大していくので、質を問うことに臆病になってしまいます。