学校の文化 担任の先生より

850)特別支援学校 悪質ホストから子どもを守る

動画で、悪質ホストについてやっていました。

始めは安価で、だんだん請求金額があがってきて、ハマったところで高額ツケ払い、払えないと海外の売春をすすめられる、といった感じの流れでした。

何かにハマってしまう感覚は分かります。

後先考えずに、何かに走ってしまうことも分かります。

ちょっと優しくしてくれる相手に寄りかかりたい気持ちも分かります。

そりゃ、楽しく過ごせる場所や人がいたら、行きたくなるのは当然のことだと思います。

ここで必要なことは、自己破産するようなところまでいかないよう、自制しながら利用する、過度な依存を招かないよう安全な場所や精神状態を保つ、自制する自信がなければ回避(行かない)することだと思います。

【特別支援学校で教えている自律】
自律(じりつ)は、自らを律するということですが、その意味の解釈や範囲は教員それぞれに違っているんじゃないかなと思います。

私は自制や自己調整(さらに曖昧?)的なものとして捉えていて、今やることを意識して進めているか、脱線しないでいられるか(戻ってこられるかも含む)、リスクのある行動について知り、それを止めることができること、が主になっています。

並んで歩いていている間に、掲示している作品をつかんで投げる。
友だちをたたく、突き飛ばす。
おもちゃを口に入れて、食べてしまう。
いきなり列を離れて道路に飛び出す。

これらは学校の現場にいてよくあることですが、これらを強化しないこと、代替え案を提示すること、良いこととよくないことを教える、悪いリスクが起きたらどうなるか教える、が主な指導になります。

悪質ホストの問題をみていて、特別支援学校の課題と似たところがあるなと感じました。ただ、違うところは特別支援学校では、複雑な事情や条件を除外して、基礎基本に近いところを教えるところだと思います。それも、あくまで集団生活や社会生活にかかわるところがメインで、です。いたって個人的なものや、集団の中の指導として取り扱いが難しいものは、指導としてよりも、他人に迷惑をかけないために教員がガードする、フォローする配慮点になっていく傾向が強いと思われます。

指導体制上もそうですが、価値観の多様性を尊重しない、感情面を尊重しないと指摘される傾向がある昨今、教員は安易に人生の先輩的な知識や価値観を伝えることがはばかられるようになっています。その点からも、悪質ホストへの対応はよいとしても、その業態や価値観にふみこむ可能性のある指導はちょっと難しいと思います。