陸上競技の日本記録を見ていると、30年くらい前と比べて、随分レベルが高くなったなぁと思います。例えばですが、1990年に宮田英明さんが国体(博多の森陸上競技場)で10秒27の日本記録を出しました。
あれから30年ほど経過した2023年、100mの日本記録は山縣亮太さんの9秒95となっています。
200mは20秒03
400mは44秒77
800mは1分45秒75
1500mは3分35秒42
5000mは13分08秒40
ハーフマラソンは1時間00分00秒
マラソンは2時間04分56秒
もし、200mのペースで400mを走ったら、記録は40秒06になるはずです。
ハーフマラソンのペースでマラソンを走ったら、2時間00分00秒になるはずです。
それは、短い距離のペースでいけたらの話、序盤でそんなペースで入ったら、後半つぶれてしまう、というのは誰でも分かる話です。
【すべてがトップクラスの速度で走れる訳でない】
先日、某教育系の雑誌を読みました。
最近、話題になっているのが「個別最適」、「自立活動」、「ICT」です。
リハビリ業界にも個別と集団がありますが、対象者をクローズアップして科学するときは、大抵個別の場面での評価(アセスメントなど)を中心に語られることが多いです。そのセラピストなりに、限られた時間のなかで最大の質を求めているんだと思われます。しかし、それを1日24時間で考えたらどうでしょう?いくらいいことだとしても、何時間も質の高いことを継続することは、対象者もセラピストも疲れてしまうから難しいことだと思います。
教育系の雑誌では、学級で何人の子どもを抱えていても、一日何時間かかわり続けようが、指導する教員が1人だろうが3人だろうが、個別または小集団の指導方法が紹介されています。そうして、子どもにはこんな視点や知識や配慮が必要だ、と新しいタスクや留意事項を絶えず発信しています。
そこでは、ある特定の時間、特定の期間、特定の児童生徒、特定の授業に焦点を絞ったものが多く、一日をどのように過ごすかという観点が抜け落ちていることが多いと感じます。
更に、教員には能力差があります。全体の力量の差や、得意不得意の差もあります。教員はその力量にかかわらず、ハイペースな指導を継続して求められたら、心身のガス欠につながるかもしれません。ペース配分や到達レベルはそれぞれ違うことを認める必要があります。