現在、学校ではICT機器が導入され、授業の端々で活用されています。
全面的にICT機器で、という考え方もありますが、多様な実態のある子どもたちにとって、それを見れば理解できる、分かってできるというものではないと思います。
自分の手や身体を使ってやってみた、実際に見て流れが把握できた、などの体験的な学習を伴わないと力がつかないと感じます。
【ICT機器の運用の実際】
今、ICT機器などの活用について、先頭にたっているのは情報機器に昔から詳しい先生、若手、情報機器にかかわる校務分掌にいる先生たちです。特に、小さいころからインターネットやタブレットに親しんできた世代は、情報機器のリテラシーに長けていると思います。
特別支援学校における学習は、「不易と流行」ではないですが、これまでの学習方法と、新しい学習が混在する形で進んでいます。ベテランの先生や、情報機器はあまり得意でない先生は、これまでの指導方法を活用しつつ、経験でカバーするような仕事を請け負っています。
いま、昔からの指導や経験を使う先生と、ICT機器を含めた合理的な指導を得意とする先生が共存していて、だからこそまわっている部分があるのではと思いました。どっちが特だ、どっちかが損だといった意見もあると思いますが、バランスをとって働いている部分があると思います。
【丁寧さとスピード感】
いま、学校には細やかさ、人間味、適正さ、豊かさ、科学的、専門的、人にかかわる、ありとあらゆるものが求められ、交通整理ができていない状況です。
どれか不足して、指摘されたら負けなので、すべてにおいてクレームがつかないように準備することに追われます。これも教員の仕事が減らない一因になっていると思います。
そうして、今の40歳台以降の教員が退職してしまった後…。
個々の教員にあらゆるものを求めるような時代が来るのではないかと危惧しつつ、タブレットを片付けました。