学校の文化 担任の先生より

905)特別支援学校 質の高い教師の確保

中央教育審議会の「質の高い教師の確保特別部会」において、職階としての「教諭」の上に新たな級を設けることについて議論しているとのこと。

そこでは、主任教諭なるものが紹介され、校務分掌で主任などの役割を担っており、33歳時点で教諭と約22万円の年収差を設けていること。主幹教諭や管理職が一層マネジメント業務に専念できるらしいです。

【お金】
教諭と主任教諭に給与の差別化をするとしたら、教諭から主任になると給料が上がるということ。その財源をどうするのか…と思います。校務分掌や学部主任など、主任を優先的に責任あるポジションに配置するとなると、相応の人数を主任にする必要があると思います。

上昇した人件費がどの自治体も確保できるのかなと思います。東京都では、教諭の給料を下げて、もともとの教諭の給料表が主任教諭の給与表になったと聞いています。これなら、特別なお金を出すことなく、トータルで見れば人件費カットもできるように思います。(中教審で話しているということは全国区の話なので、新たな予算(人件費)を一斉に求めることは難しいでしょう。)

これが実現すると、校内で分掌はあれど主任がいないという事態が想定できます。あくまで主任というなら、主任に複数の分掌主任をさせますか?いや、それだと定時を越えた仕事を、目に見える形で課すことになるので、それは避けると思います。そうなると、ヒラの教諭がさせられるのでは。(給与もあがらないのに主任業務…。)

【処遇改善】
「学校の仕事が多い⇒司令官が多重の仕事があるので、責任を下におろそう⇒兵隊の教諭と距離近い主任にやらせたほうがスムーズだし、どんどん下ろそう」になると推測します。

岡山県教育長が「学校が対応すべきさまざまな課題の負荷がかかっている業務に新たな級を設けてほしい」などと求めた、とあるように、仕事を精選するよりも、現状通りにやらせることを重視しているのかなと思います。

教諭の立場からすると、実際の業務量は主任になろうが変わらないのに給与と地位に差をつけられているので、そこまで頑張らなくてもいいと割り切る人がでてくると思いますし、主任に下ろすことを覚えてしまった管理する側の人は、「マネージメントが私の仕事で、子どもの仕事は教諭の仕事」と子どもの指導から離れていくことが懸念されます。これまで過剰に働いていた管理側と教諭が、主任ができたことで積極的に動かなくなる、校内でホワイトカラーとブルーカラーが明確に分かれるようになる、ということです。

更に、指令を出す側の人が、「言うのが私の仕事で、やるのは下の仕事」と思うようになり、積極的に仕事をつくって指示しまくるようになったらどうなるか…。

職域、責任の範囲、指導の質と量、労働時間と労働環境、給与など、問題が山積みです。無茶なことをやり過ぎて、学校教員の仕事はブラックというイメージが助長されなければいいなと思います。