その学校に何年か在籍して、担任をやっていると、もちあがりの学級から離れる日がきます。
自分が指導していた学級または児童生徒を引き継ぐというか、委ねるということです。
新年度、指導していた学級は諸事情で解体になり、その一部を若手(経験年数浅め)に託すことになりました。児童生徒の実態は引継ぎの場を通して、特性や対応について伝えました。あとは、次の先生が自身の学級経営の力量をもってどこまでできるか試すだけだと思います。
【引き継いだ後】
引き継いだ後にどうするかですが、やりようはいくつもあると思っています。最もスタンダードで確実なことは、まずは前年度にやっていたことを聞いて、その通りにやってみることです。
その通りにやることで、児童生徒の実態がどの程度か推測できますし、大ハズレのない一手をうつことができます。また、前年度の教員の力量や、指導計画の中で意図していたことを具体的な形で知ることができます。
それを受けて、残すものは残す、意味は同じでもやり方が違うものを試す、自分ならどうするか考えて再構築する、などと更新されるものと思いますし、そうしないと新しい教員と出会った意味がないと思うのです。
【同じでいいか】
今回の学級は、複数の児童生徒の特性や指導目標をふまえて、「こんな教室環境にした」「こんな指導方法を選択した」「段階付けを、このへんに設定した」などの妥協も含めた設定をしています。
ところが、新年度は集団の構成や人数(減少している)が変わっているので、より個の実態に特化した指導が設定できるはずです。にもかかわらず、ハナから同じことをしようとするのは遠回りですし、引継ぎで得たことをふまえて対応する気がない、ということになります。
今回の学級は、同じことをするのではなく、再構築が前提だと思っていました。短くても指導経験があり、障害種別が似た子供たちを、他の教員がどのように指導していたか見ているならば、それを試すべきです。それなのに、「この時の教材はまだありますか」、「この時は何を使いましたか」と、真似ることばかり考えて聞いてくるのが、だんだん不快になってきました。
【同じだと困らないかなぁ】
試行錯誤がなく、根拠もなく、ただ指導方法をまねているだけだと、底が浅い指導になります。そこから得るものを生かすならいいのですが、意味やねらいが分からず、戦略もなく、惰性で続けていると、小さい変化や違和感に気づけません。指導を発展させたり、変更させたりするタイミングがはかれません。
指導について保護者に説明できないと、そのうち「ちゃんと子供とかかわってくれているのか?」と保護者も疑心暗鬼になるんじゃないかなぁ。そうなると、困ると思うのですが…。