学校の文化 担任の先生より

936)特別支援学校 保護者面談で意識したこと

保護者面談の時期になりました。

【近年の教員と保護者の関係】
近年の傾向として、教員は保護者から児童生徒をお預かりして、学校として無用・無能だと言われないよう、仕事をやらせて頂いている、みたいな雰囲気が強いと感じています。そのため、学校としてできる範囲はここまで、教員としてできる範囲はここまで、といった歯止めがかけにくいです。

教員自身も、人によりですが、児童生徒と保護者との距離が近く、「保護者の希望や期待に合わせることが正義」とすることで、保護者との摩擦を避け、大過なく1年を過ごせばよいという人が増えてきている気がします。(何かゴタゴタが起きたら簡単に謝罪会見を開いてしまうので、現場の教員も思い切ったことはできません)

【教員生活初めての保護者面談】
随分前になりますが、担任になって初めての保護者面談は、今思えば悲惨でした。

一緒に面談に入った教員が主に話を進めるということでしたが、「こんなことができています」、「こんなことを頑張っています」と誉めまくった挙句、「お母さんからご希望などはないですか?」と注文聞きをして、安請け合いをして終わりました。

今思えば、教員として「ここを伸ばしていきたい」、「ここが課題だと思うので、一緒に取り組んでいきたい」、「将来を見据えて、つけたい力はこれだと思います」、「この課題について、以前はこのようにやってきました。〇〇さんも、やってみませんか?」などと、言えることはいくらでもありました。

やっぱり教育観というか、指導に対して多少の自負は必要だと思います。それがないと忠誠心の所在が保護者になり、保護者の依存心を増大させたことを「信頼を得ている」と勘違いさせ、深く児童生徒を理解することをおろそかにして、場当たり的な保護者ウケばかり考えるようになります。

【今年の面談で意識したこと】
今年の面談で意識したことは、「学校として、教員として、何を課題と考えていて、どのように取り組んでいくか明らかにすること)」と、「課題(大小にかかわらず)を解決するための保護者、児童生徒、教員の役割分担(交通整理)すること」でした。

もし、新入生の時期ならば、作業療法士的な学習や日常生活動作に関する助言・指導を保護者面談でやってもいいと思います。学校における児童生徒の生活環境を改善するばかりでなく、保護者に自分の子供への対応方法の引き出しを増やし、児童生徒の実態を把握するために有効な手段だと思うからです。