学校の文化 担任の先生より

996)特別支援学校 学校内の仕事のお作法

先日、ある担任の先生から「給食のときに使う食器の変更をしたいのですが、どうすればいいですか?」と聞かれました。

子どもが使う食器について、スプーンの大きさを変えたらいいかな?お皿の形状を変えたらうまく食べられるようになるかな?ということで変更することはたまにあるのですが、普通考えたら、使いたい食器があるなら、それをもってきて、入れ替えたらいいじゃないと思うのが普通だと思います。

簡単なことだと担任の先生が自分で方針を変えて、運用しちゃうと、学校では怒られるんです。

【担当がつながるシステム】
学校では、多くの教員が、いろんなタスクを複数かかえ、それをからみあわせながら仕事をしています。

食器ひとつをとって見てみると、以下のようなものが挙げられます。

  • お皿を購入するために、予算をたてて、購入手続きをする仕事
  • 買ったお皿を保存、管理をする仕事
  • 子どもが使う食器が妥当か確認する仕事
  • 食べるとき食器を分配し、うまく使っているか見る仕事(ここは担任か学年の先生など)
  • 食器を洗浄する仕事
  • 吐物がでたときの食器の扱いについてルールをつくる仕事

これらの仕事を何人かの人が分担し、つながることで機能させています。これを参考にすると、勝手に食器を入れ替えて怒られる理由は、③は使用することの妥当性が確認されているから良しとして、②を担当する人の仕事を侵害するからなんですね。

数が合うか、全校的に何がいくつ使われているか、使ったものがきちんと返却されているか、不足したときに何個補充するか、老朽化や過剰になったら廃棄する、といったことをする担当を無視していることになります。

校内にある仕事や手続きを、すべて一人で完結させることは不可能です。その煩雑さと複雑さでもって、授業そのものができなくなります。

では、怒られないで、うまく着地するには、どうしたらいいでしょうか?

まず、学校で使われている食器一つの流れを変えてしまう訳ですから、②を担当している給食について担当している教員か栄養士に変更する手続きについて確認し、データにある担任の先生の学級または学年で使っている食器の表の数を変更してもらいます(担任が入力して変えることもある)、いつから変更が反映するか確認し、変更される日まで待てば良いのです。

この場合、数を管理する表の変更だけでいいのですが、事によってはこれと、これをいじって、ここと、ここに連絡しておき、ここと打ち合わせをして合意を得ないとできない、という仕事もあります。

なので、今、自分がやらなければならない仕事や課題を処理するために、何をしなければならないか、どうすれば完結できるか、知らなければ学校では仕事ができません。分からなければ、誰に問い合わせるのが一番近道か判断できなければなりません。

先生が日々仕事をしていくなかで、いろいろな仕事を処理するために、窓口を探し当て、多くの人の手を介していくのですから、その中で協力してくれない先生がでてくると、あなたの仕事が止まってしまいます。

縦割りで担当した仕事はするけれど、問い合わせに応じる義務は管理職以外にはありません。なので、嫌われたら、どんどん仕事がしにくくなっていきます。